ビジネス

2021.08.07

精神的にキツく割に合わない現実。単に「起業しよう」は無責任だ

photo by LPETTET / iStock


勘違い2: 決定権が欲しい

企業のいち従業員として働いていると、上司の指示に従わなければならないことも多く、自分で決められることにも限界あると感じる事も多いかもしれない。

これがもし自分の会社であれば、最高責任者として自分で決断ができる。そう感じて自分の会社を始めたいと思っている人もいるかもしれない。

しかし、CEOになればあらゆる決定権が持てるのであろうか? もちろん、会社のトップになるわけだから、そう思うかもしれない。

でも現実は全く違う。上司を持ちたくないという理由で起業しても、実はスタッフや、お客様、そして投資家、株主の方々が上司になってしまう。常に自分の周りの人々に根気よく説明をし、理解を獲得することに相当のエネルギーを費やす。起業家は、周りの人たちのサーバントとして仕事をすることになるだろう。

勘違い3: 自由になりたい

自分の会社なのだから、自分のスケジュールは自分で決められる。これも起業家の醍醐味のように感じるかもしれない。まあ、間違っていない。誰からも指示を受ける事なく、自由に働くことが可能になる。

そう、一日20時間、自分の好きな時にね。

起業家になるたった1つの正しい目的


では、どんな目的があれば起業家になるべきなのか。実はその理由は1つしかいない。その答え「 世界を変えたい 」。

そう。起業家という身体的にも精神的にも大きな負担がかかり、その割にはリスクが非常に高く、リターンもかなり少ない。

そんなワリに合わない立場になる唯一の目的は、素晴らしいチームを作り、優れたプロダクトやサービスを通じて世の中を変えたい。実はそれしか無い。逆に、そうでなければ起業する意味なんてない。

だったら君もやる方に入ったら?


ここまで説明して、僕が本当に伝えたいのは、“僕は君が起業家になることをオススメしない”と言われても、それでもやる人でないと続けられない世界であるということ。

これは、どの世界でもそうだと思うが、トップレベルで成功した人のその多くが、最低でも一度や二度は「そんなの無理だ、やめとけ」と言われた経験を持っている。

でも、それでもどうしてもやりたいぐらいの強い熱意がある人だけが一流として生き残れる。特にビジネスの世界は、孤独で、厳しく、理不尽である。それでも、どうしても起業家になりたい人だけがなったほうが良い。と僕は思う。

Q. 起業家の方々へぜひ励ましの一言を。

励ましが必要な時点で起業家なんてやらない方が良いよ。 – イーロン・マスク

※この記事は、btraxのブログFreshtraxから転載・編集されたものです。
※過去の配信はこちらから。

文=Brandon K.Hill(btrax Founder & CEO)

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