エプスタインについては2020年にも、ヴィクトリアズ・シークレットのモデルのキャスティングにエージェントとして関わろうとしていた、モデルを目指す若い女性を食い物にしようとしていた、などと報じられている。
経営不振の理由は「男性目線」
ただ、エプスタインとの関係に疑惑の目が向けられるようになる前から、ヴィクトリアズ・シークレットは業績不振に悩まされていた。ハイディ・クルムやジゼル・ブンチェンといったスーパーモデルをブランドの広告塔である「エンジェル」として起用、若い女性の性的魅力を強調することで人気を得た過去の戦略に、ウェクスナーら幹部が固執したことが、主な要因とされている。
女性の下着は「男性が女性に着てもらいたいもの」ではなく、「サイズインクルーシブ(あらゆる体型に対応)」であること、多様性があり、(男性ではなく)女性にアピールするデザインを重視する方向へと変化し始めていたのだ。
マーティン・ウォーターズ新CEOが率いるヴィクトリアズ・シークレットは先ごろ、米女子サッカー代表のミーガン・ラピノーなどをロールモデルとして起用したことを発表。取締役会のメンバーをウォーターズ以外は全員女性とするなど、積極的なリブランディングを推進している。
Lブランズは今後、傘下のバス&ボディワークスとヴィクトリアズ・シークレットを8月2日の取引終了後に分社化させる予定。それに伴い、「Lブランズ」の社名は消滅することとなる。
ウェクスナーは1963年にLブランズの前身である「ザ・リミテッド」を創業。買収により、「ヘンリベンデル」「アバクロンビー&フィッチ」「レーン ブライアント」などを傘下に収めていた。