30U30

2021.07.19

大谷翔平が思い出させてくれる、自己挑戦の大切さ

大谷翔平 / Getty Images

米大リーグ、ロサンゼルス・エンゼルスでプレーするエース投手かつ強打者の逸材「大谷翔平好き」の野球ファンが増えている。私もその一人だ。

そう、大谷はエース投手かつ強打者なのだ。大谷は今年、投手と指定打者の両方の役割で米大リーグのオールスター戦に選抜された史上初の選手となった。

大谷は、猛烈な速さで塁を回ることができる。身長190センチメートルを超える機関車のような大谷が1塁を回り、自分の方へと向かってくるのを止めようとする二塁手になるのは、私はごめんだ。

ここで、大谷のこれまでの功績を示す数字をいくつか紹介しよう。大谷が投手を務めた最初の24試合の防御率と三振の数は、ロジャー・クレメンスの最初の24試合の成績よりも優れていた。また、打撃を行った332試合を終えた時点でのヒット数やホームラン数、長打率はウィリー・メイズにも引けを取らない。

米国の著名野球ライターであるトム・ベルドゥッチは、大谷は現代のベーブ・ルースではなく「ルースを超えている」と語っている。


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大谷は、対クリーブランド戦で時速約150キロメートルの速球を打ってスリーランホームランを放ったり、時速約160キロメートルの球を繰り出して銅像のように立ったままのヒューストン・アストロズの選手の横を抜けさせたり、素晴らしいプレーを見せた後に男の子のような笑顔を輝かせる。私は、この笑顔が大好きだ。

しかし、私が大谷のプレーを楽しむ理由は彼の選手としての能力の高さだけではない。彼が初めて米大リーグに来たとき、私は他の口うるさい観客らと同様、大谷は打者としてはすぐに失敗し、投手は守備さえできれば打撃能力は誰も重視しないことにすぐ気づくだろうと思っていた。

私たちは、遠回りな意味では間違っていなかった。大谷が打者として成功せずとも、誰も気に留めなかったはずだ。私の友人の元プロ野球選手で投手だったジョン・スモルツは以前よく、多くの投手の趣味はゴルフだと私に語ってくれた。大谷はただ金を稼ぎ、ゴルフに興じることもできたのだ。

しかし大谷は、現状に甘んじたり自己満足したりすることなく、ゴルフコースではなくバッティングケージで多くの時間を過ごすことを選んだ。その結果がどうなったかはお分かりだ。


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翻訳・編集=出田静

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