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2021.07.19 11:00

企業価値40億ドルのアナリティクス企業「Amplitude」が直接上場へ

創業者 スペンサー・スケイツ / Amplitude(C)

顧客行動アナリティクスのスタートアップ企業「Amplitude(アンプリチュード)」は7月14日、ダイレクトリスティング(直接上場)に向けた申請書類を内密に提出したことを発表した。同社は、約1ヶ月前にセコイア・キャピタルが主導した調達ラウンドで1億5000万ドルを調達し、その際の評価額は40億ドル(約4400億円)とされていた。

Amplitudeは、フォーブスの「30アンダー30」に選ばれた若手起業家のスペンサー・スケイツとカーティス・リュー、そしてジェフリー・ワンが2012年にサンフランシスコで設立した企業だ。同社は、2018年にフォーブスの「次世代スタートアップ(Next Billion-Dollar Startups)」に選出され、2020年に評価額10億ドルを突破していた。

フォードやバーガーキング、ウォルマート、アトラシアン、Gapなどの企業は、Amplitudeのソフトウェアを使用してプロダクトの最適化を行っている。

フィットネス企業のペロトン(Peloton)の場合、Amplitudeのデータを活用して、家庭用フィットネス機器のバーチャルコミュニティを作り、エンゲージメントを高めている。会計ソフト大手のIntuitは、Amplitudeのツールを活用してユーザーの多くが請求書を送らない理由が、Gメールとの連携の悪さにあることを突き止め、プラグインを作成してその問題を改善した。

パンデミックの発生を受けて、企業がオンライン上の新規顧客の獲得戦略の見直しを迫られる中で、Amplitudeのプロダクトの需要は急拡大した。同社の売上高は、3年前に約4500万ドルだったが、1億ドルを突破した。

同社は先日、上場企業での経験を持つ2人の役員を迎え入れた。SplunkやProcore、バンブルの取締役を兼任するエリッサ・スティールと、2018年に上場したクラウドソフトウェア企業Domoのチーフ・プロダクト・オフィサーのキャサリン・ウォンだ。

Amplitude のスケイツは、ベンチマークキャピタルのBill Gurleyから、ウォンが「優れたボードメンバーになる」と紹介されて、彼女とツイッターでつながったという。

同社は2015年にベンチマークが主導したシリーズAで900万ドルを調達し、それ以来、セコイアやシンガポールのGIC、テンセントホールディングスなどから出資を受けてきた。

編集=上田裕資

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