空気をきれいにしながら走る車。中国発EV車「オーロ」の全貌

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環境問題に真剣に取り組んでいる人がデザインを手掛けたに違いない。

英国のヘザウィック・スタジオが、中国のEVブランドであるIMモーターズの新型EVコンセプトカー「オーロ(Airo)」を開発した。車名の由来は、空気(air)をきれいにするという概念である。この新たなデザインのコンセプトカーは、空気を汚さないことはもちろん、幹線道路を走る車の汚染物質や排気ガスも浄化するといわれている。

空気をきれいにしながら走る車「オーロ」


コンパクトなデザインで、時代を先取りしたような外観をしたこの車には、HEPAフィルターシステムが搭載されており、空気をきれいしながら走るという。


上海モーターショーで発表されたオーロには、現代的な機能がほぼすべて盛り込まれている。完全自律走行モードと、ドライバーによる手動運転モードを備えたフルEVコンパクトカーで、走行中に空気を浄化するという画期的な特徴を持っている。

世界は今、公害、大気汚染、水質汚染、騒音というこの上なく大きな課題に直面している。これらが組み合わさり、世界が崩壊する危機にさらされているのだ。そのため、公害レベルを確実に低下させるような技術が大いに役立つ。「オーロ」は、汚染された空気を吸収するHEPAフィルターシステムを採用することで、まさしく競合他社のモデルより一歩先を行っているというわけだ。

「単に大気汚染を食い止める電気自動車というだけではありません。最新のHEPAフィルター技術により、走行中のほかの車が排出した汚染物質も吸収することで、さらにもう一歩、先へ進んでいるのです」と、ヘザウィック・スタジオを率いるトーマス・ヘザウィック氏は語る。

世界では長らく、空を飛ぶ車を望む声や、日常で使用する車にもっと画期的な機能を求める声が上がっていた。ところが、ヘザウィック・スタジオは深刻な環境危険要因に対処すする新たなコンセプトカー「オーロ」を発表し、皆をあっと驚かせた。もちろん、大気汚染が完全に解消されるわけではないだろうが、ある程度の効果が出始めるのは、車にとってプラスに作用する。
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翻訳=神原里枝 編集=石井節子

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