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フィデリティ証券 執行役員 個人金融サービス本部長 久保田誉/明治大学 国際日本学部 特任教授の沼田優子

「老後資金2000万円」問題は、シニア層をはじめ多くの層を不安にさせた。安心できるライフプランを考えれば、預貯金だけでは心もとない。とはいえ、いわゆる「投資」には不安も覚える。

フィデリティ証券は「ロボ+ヒト」の新しい資産運用サービスとして「ザ・ハイブリッド」を開発、2021年7月6日に提供を開始し、同日にはオンライン発表会が開催された。同社はザ・ハイブリッドについて、相談相手がいないという資産運用の「ワンオペ状態」を解消し、手軽に資産形成を始めることができる画期的なサービスだと説明する。


ロボアドにヒトのアドバイスを組み合わせた


人工知能(AI)によって投資に関するアドバイスやポートフォリオの提案をするロボアドバイザーが個人投資家の間で注目を集めている。

経験と専門知識が豊かなプロフェッショナルが投資のアドバイスや代行を行う「ファンドラップ」は、言うまでもなく安心感が高い。ただ、その反面で一定の資金量が必要でありコストも高く、少額投資には不向きである。

それに対し、ロボアドバイザーの場合は人件費等がかからず、低コストで始められるという特徴がある。また、それぞれの「リスク許容度」に応じた最適な投資プランを提案し、自動運用をしてくれることも、個人投資家の関心を集める理由である。

ただ、AI頼みでは、やはり不安は残る。本当は専門性を持ったプロの意見を聞きたい、というのも個人投資家の本心だろう。

こうしたニーズを踏まえて、ロボアドにヒトのアドバイスを組み合わせたのが、ザ・ハイブリッドだという。

「アドバイザーが欲しい」と7割以上の人が考えている


日本人の資産運用は、保守的な国民性を反映して、預貯金が中心。しかし、長期化する低金利の下で資産は増えない。フィデリティの調べによれば、過去20年で日本における個人の金融資産の伸びは約1.4倍にとどまっている。一方、資産運用に積極的な米英の家計金融資産は2倍以上に増えているそうだ。

2019年に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」による「老後20〜30 年間で約1300万円〜2000万円が不足する」という試算が話題になったこともあり、「いかに老後の資金を形成するか」の意識は高まりつつある。

とは言え日本では、欧米とは違い、資産規模に応じた資産運用サービスのバリエーションは決して多くはない。

また、金融資産の多寡もさることながら、「相談できる相手がいない」ことも投資に二の足を踏む人々の心中にはある。そもそもお金のことは友人・知人に聞きにくいもの。フィデリティの調査によれば、「周りに相談相手がいない」という人が回答の8割を占めていることがわかった。 知識不足に加え、相談相手がいないという現状は、資産運用の「ワンオペ状態」と言っていい。

文=間杉俊彦

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