子供たちに関しても気になる情報がある。イギリスの教育省が集計した7月8日のデータによると「この日だけで」英国の公立の小・中学生の約11%がコロナ関連で学校を休んだという。
少し前の「Evening Standard」紙には同数字は6月10日が1.2%、 6月17日が3.3%、 6月24日が5.1%とあるから、1カ月弱で9倍あまりに増加したのだ。先週1週間でいえば合計74万7000人もの子供たちが自宅での自己隔離を余儀なくされた。特に中学生に顕著だという。
英国の学校では、感染拡大を防ぐためにクラス単位や学年単位などで「バブル」を作り、授業や休み時間などをそれぞれグループ単位で過ごすようにしている。そのため、息子の学校でも、一人の生徒が熱を出したりすると、“クラスバブル”や“学年バブル”ごとに元気な子供たちも全員自己隔離させられる。
若干数いる寮生も、全員自宅などへ帰らされ自己隔離の上、その一人の生徒が陰性と判るまではオンラインで授業に参加するということもあった。知人たちからも、同様の話を頻繁に耳にした。
日本でいうLINEのような保護者たちのSNSグループに誰々が感染したからといった情報も名指しで普通に届くが、だからといって誰も気にしない。英国は多民族国家なので、「宗教もマスク着用も個人の自由」みたいな風土があり、誰もうるさく言わない分、陽性になってもこうしたオープンな雰囲気があるので救われるのだ。
「待ち望んだ日」がすぐそこに
そんな中、英イングランドでは7月19日に外出行動規制のすべてが撤廃(海外渡航を除く)となり正常化される。「Freedom Day(自由の日)」と呼ぶのだが、昨年12月から続く3回目のロックダウンが今年3月から段階的に緩和され、ついに最終段階のステップ4へと移行されるのだ。みんなが待ち望んだ日だ。
しかし、歴史的にもインドと深いつながりのある英国では5月からデルタ株が猛威を振るい始めたため、「自由の日」は当初予定されていた6月21日から4週間延期された。この時、インドの状況を鑑みて、延期ではなくむしろ1〜2ステップくらい戻すべきではないかという議論もあった。
7月19日からは、ナイトクラブやシアターを含む全ての施設が再開し、政府による在宅勤務の指示もなくなる。また、スコットランドやウェールズと異なり、フェイス・カバーの義務やソーシャル・ディスタンシングといった制限もイングランドでは解除される。