ビジネス

2021.07.18 07:30

計画変更が相次いだ米国の巨大モール、ついに開業日が決定


アメリカン・ドリームはプレスリリースで、ラグジュアリー棟にはサックス・フィフス・アベニューと共に、エルメス、サンローラン、ティファニー、ドルチェ&ガッバーナ、マルベリーなどのブランドが出店すると説明している。運営元のトリプル・ファイブで最高クリエイティブ責任者(CCO)を務めるケン・ダウニング(Ken Downing)はWWDの取材に対し、開業日の9月17日には、サックス・フィフス・アベニューに加えて20以上の店舗がオープン可能な状態になっているはずだと語った。

アメリカン・ドリームの幹部がWWDに語ったところによると、面積30万平方フィート(約2万8000平方メートル)のラグジュアリー棟は、7割のスペースについて借り手が決まっているという。

ダウニングによれば、「ジ・アベニュー」(ラグジュアリー棟)は、デザイナーズホテルを模したデザインが施されている。各店舗の前にある、買い物客が行き来するスペースには、所々に高級サロン風の椅子が配置されるという。

サックス・フィフス・アベニューは7年前、このアメリカン・ドリームのメガモールに注力するという、大きな賭けに踏み切った。同時に、ニュージャージー州の2つの高級ショッピングモール(ザ・モール・アット・ショート・ヒルズとザ・ショップス・アット・リバーサイド)に設けていた店舗を閉店し、アメリカン・ドリームの店舗をニュージャージー州で唯一の拠点とすることを明確に示した。

アメリカン・ドリームのプレジデントを務めるドン・ガーメジアン(Don Ghermezian)は声明で、「私たちは、装いも新たなラグジュアリー体験をアメリカン・ドリームにもたらすことに、胸を躍らせている。米国ではここ以外で見ることがないような、厳選された一流ブランドや品揃えをお届けする」と述べた。「アメリカン・ドリームのジ・アベニューは、一流品をお届けするという当社のコンセプトをさらに進化させ、トップクラスのエンターテインメントおよびショッピングスポットとしてのアメリカン・ドリームの地位をさらに強化するものだ」

アメリカン・ドリームは当初、ラグジュアリー棟について、世界各地からの観光客をこの巨大モールに引き寄せるための起爆剤になると宣伝していた。だが、コロナ禍によって国境をまたいだ移動が制限されるなかで、現時点でこのモールを訪れる人の大半は、ペンシルベニア、ニュージャージー、ニューヨークの3州の住人だと、ダウニングはWWDに説明している。

先述したように、プレジデントのガーメジアンは声明で「米国ではここ以外で見ることがない、厳選された一流ブランドや品揃えを届ける」と胸を張っているが、以前はこのラグジュアリー棟について、「世界のどこにもない店舗のラインナップを実現する」と謳っていた。新型コロナウイルスのパンデミックに加えて、他のさまざまな逆風にアメリカン・ドリームが直面したことで、ガーメジアンもその壮大な視野を少し狭める必要に迫られたようだ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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