キャリア・教育

2021.07.15 16:30

大学入試のニューノーマルに、全米に広がる試験免除の動き

Siriporn Wongmanee / EyeEm / Getty Images


新型コロナウイルスのパンデミックのあいだ、学生がテストを受験することが現実的に困難だったことを考慮して、何百という大学が、入学手続きにおける試験の選択化または免除に踏み切った。しかし現在、この方針の延長を決断する大学が増えており、恒久的なものとする大学もある。
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「試験の選択化、試験免除、スコア提出免除は、大学入試の『ニューノーマル』となった」と、シェーファーは言う。「高等教育機関のトップは、ACT/SATの要件を廃止することが、学術的成果と公平性の推進につながると認識している」

こうした動きを後押しするような研究成果も発表されている。試験を選択制とする入学選考を採り入れた大学では、人種的・民族的マイノリティ、低所得世帯、女性の志願者が小幅ながら増加したというのだ。一方で、試験スコアを提出せずに入学した学生は、提出した学生と同等の大学での成績を収めているとする研究結果があるものの、全体でみると、結果は肯定的なものと否定的なものが入り混じっており、試験賛成派あるいは反対派が主張するような一様なものではない。

イリノイ州のグリーンウッド議員は、「入学選考の際には、たった1日のマークシート試験の点数だけでなく、学生の学業成績を包括的に評価する必要がある」と述べる。「ACTやSATでは、世帯収入と試験成績に相関関係が見られることが指摘されており、恵まれない環境にいる学生にとって、大学進学の障壁となる可能性がある。こうした試験の成績に過度に依存すれば、本来なら合格に値する志願者の数を絞り込んでしまうことになる」
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ほとんどの州議会は、すでに今年度に関する審議を終えたものの、入学手続きに試験成績を必須としないよう義務づける法案は、来年度にはさらに提出されると見られる。こうした法案は、教育政策としては珍しく、民主・共和両党から支持されることが予想されている。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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