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組織の創造性を全体性からとらえる、組織デザインの新しいモデルがある。MIMIGURI Co-CEOの安斎勇樹が提唱する樹木の模式図とは──。


創造的な組織づくりには「対話」が不可欠である。

組織開発、理念浸透、新規事業開発、1on1コミュニケーション、心理的安全なチームづくり、リモートワークの推進。組織のあらゆる場面で、「対話」を重ねることの重要性を耳にするようになった。その背景には、さまざまな実務的な理由が考えられる。

ひとつは、多様な価値観をもつメンバー同士の「わかりあえなさ」を乗り越えて、相互理解を深めるため。次に、一人では生み出せない新しいアイデアを、コラボレーションによって生み出すため。最後は、顔が見えにくくなったリモートワーク環境において、お互いの感情や本音を共有するためだ。

いずれの考察も正として認めながらも、本記事ではあえて角度を変えて、現在注目されている「組織の創造性(organizational creativity)」の観点から、対話の意義について理論的に再考したい。

「組織の創造性」は階層的


創造性に関する学術研究の系譜をたどると、最も蓄積があるのは「個人の創造性」の知見である。長きにわたって、私たちは「クリエイティブなアイデアにあふれる個人」に憧れを抱き続けてきた。1960年ごろから心理学実験が繰り返し行われ、創造的思考を発揮するための要件について、研究が重ねられた。いかに個人が固定観念から自由になれるか、いかに個人が内発的動機(衝動)に基づいて行動できるかなどが、個人の創造性の源泉として尊重されるようになった。

2000年代になると、研究の潮流は「チームの創造性」、すなわち集団のコラボレーションへと関心が移っていく。多様な視点をもったメンバーでチームを構成し、対話を通してそれらの視点を交錯させ、新しい意味解釈が生まれ続ける状況こそが、創造性発揮のメカニズムとして、理解が深められた。

最近では、経営学領域で「組織」を主語にした学習や創造性の理論的研究が進んでいる。組織が掲げる理念が洗練され、組織や事業そのものが刷新されていくプロセスこそが、組織レベルの創造性として、注目されるようになってきた。

このように、組織の創造性は「個人」「チーム」「組織」の各層によって発揮される。これらが階層的かつ有機的に接合することで、イノベーションが生まれ続ける組織の土壌が実現するのである。

文=安斎勇樹

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