わかる人にはすぐわかる「大人」なラグジュアリーバッグ


小暮:トートバッグにしても、メッセンジャーバッグにしても、男性が使っても、女性が使ってもいいデザインに仕上がっています。

森岡:完全に男女兼用で使えると思います。夫婦でも、家族でも使えます。デザイン自体に普遍性があるので、どんなスタイルにも似合ってしまう。そいういう意味でもジェンダーレスで、ボーダレスないまの時代にマッチしたデザインのバッグだと思います。

小暮:加えてデザイン性がより進化しているのではないでしょうか。このトートバッグの巨大な「イントレチャート」は完全にデザインの一部になっていると思います。

森岡:19年のダニエル・リーのデビューコレクションをチェックしましたが、「イントレチャート」のように見えるコートやスカートも発表されていました。ブランドのヘリテージにデザイン性と現代性といったモダンな要素が加えられているのです。

小暮:ブランドはヘリテージばかり大事にしていると、どうしても顧客とともに年を取ってしまうものです。ときには新しい息吹を加えて、ブランドをリフレッシュしていかないと新しい顧客をつかむことはできないのではないでしょうか。

森岡:ダニエル・リーはまだ30代と若いのですが、数々のラグジュアリーブランドで経験を積んだ人物です。ビジネスとデザインのバランスをよく心得ているように思えます。この2つのバッグはそれを象徴しているのではないでしょうか。

小暮:ブランドのあり方もデザイン性も、これからのラグジュアリーブランドの方向性を示しているのかもしれませんね。


右 / 大きな「イントレチャート」で仕立てたトートバッグ。汚れに強い加工が施されたカーフレザーを採用。内側にはスエードのライニングが施され、ラグジュアリーさが薫る。H34.5×W46×D11cm。396000円
左 / 水に強いレザーで「イントレチャート」を施したメッセンジャーバッグ。ボタンで留められた2つのポーチで構成されている。H16×W26cm。258500円。
(ともにボッテガ・ヴェネタ / ボッテガ・ヴェネタ ジャパン 0120-60-1966)


ボッテガ・ヴェネタ 表参道フラッグシップ 6月上旬グランドオープン

昨年よりプレオープンしているグランドフロアに加え、2階・3階がオープンし、ウェアを含むウィメンズ・メンズの幅広いアイテムが取り揃う。クリエイティブ・ディレクターのダニエル・リーが完全に手がけた初のフラッグシップとなる。

東京都渋谷区神宮前5-1-5 / 11:00-20:00 / 03-5962-7630


森岡弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ、現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

photograph by Masahiro Okamura | text by Masahiro Kogure fashion | direction by Hiroshi Morioka | edit by Akio Takashiro

この記事は 「Forbes JAPAN No.083 2021年7月号(2021/5/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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