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2021.07.15

フェイスブックがインフルエンサー支援に10億ドル、TikTokらに対抗

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO / Getty Images

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは7月14日、2022年の末までに同社のプラットホーム上のクリエイターたちに10億ドル(約1100億円)を提供すると宣言した。この動きは、テクノロジー業界の大手らが展開中のインフルエンサー争奪戦における新たな動きと言える。

フェイスブックは、この資金をインフルエンサーに対する広告収入の分配や、フェイスブックやインスタグラムの利用時間に応じた報酬の支払いに充てるという。さらに、これらのサイトで存在感を示すことを望むクリエイターにシード資金を提供する計画だ。

ザッカーバーグは、14日のフェイスブックの投稿で、「私たちは、何百万人ものクリエイターが生計を立てるための最高のプラットフォームを構築したいと考えている。当社は以前からクリエイターに投資してきたが、この試みを時間をかけて拡大していくことにエキサイトしている」と述べた。

SNS業界の大手らは、新規ユーザーの獲得に貢献するインフルエンサーたちに注目している。フェイスブックはここ最近、一連の新たな取り組みを発表し、そこにはファンから資金を募る機能や、独自のマーチャンダイズを可能にするツールなどが含まれている。しかし、同社の競合のTikTokは今後3年間で20億ドルをクリエイターに支払うと述べており、スナップやツイッターも同様なプロジェクトで、インフルエンサーを呼び込もうとしている。

これらのプラットフォームの多くは、インフルエンサーが稼いだ売上の一部を受け取るが、意味のある収益をあげるのは、何年か先のことになりそうだ。昨年860億ドルの売上をあげたフェイスブックにとっても、この新たな収益源は、当面は取るに足らないものになるだろう。

しかし、この分野の大手にとって、インフルエンサーを自社のプラットフォームに囲い込み、彼らのコンテンツでユーザーを惹きつけることは重要だ。フェイスブックのような企業は、ユーザーがログインしてくれなければ、生命線である広告ビジネスを維持できないからだ。

編集=上田裕資

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