サッカークラブは「ファントークン」とどう付き合うべきか? キーマン達が語る可能性

(c) 湘南ベルマーレ


ファンクラブにおけるNFT活用の可能性は──?


山崎氏はここでこの日のもう一つのテーマ、「NFT」に言及し、アイデアを提示した。
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「ファントークンとファンクラブとの棲み分けといったところでNFTの価値を考えてみると、ファンクラブでNFTを活用するといった発想は考えられないでしょうか? 会員番号をNFTで発行するとか、すごく面白いと思うんですよね」

村田氏もこう応える。

「ディナモ・キエフというクラブがNFTチケットを発行する予定で、向こう1年間でチケットの25%をNFTに代替すると発表しています。BinanceNFT(マーケットプレイス)の100あるローンチプロジェクトの一つとして、Moonwalkというベンダーと一緒に、NFTチケットをコレクション化してBinance上で販売し、セカンドマーケットでも売れるようにするといったことを考えているようです。
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この流れでシーズンチケットもNFT化していくと、先ほどのファンクラブの会員番号をNFTで発行すると考えた時に、それに伴って会員番号で細分化されたサービスを設計して、その権利をセカンドマーケットでも売れるようにするといったことになると思いますが、これと同じような意味合いを持つわけですよね。

このようにNFTは特性を上手く活かすことで、現在主流のコレクタブルからユーティリティの方向に成長していくという面白い流れがあるのではないかと思っています」



「ファントークンとNFT」の特徴、活用法の違いやKPIをどう見るか、そして近未来像について、は後編記事(12月5日公開)にて。


山崎卓也◎一般社団法人スポーツビジネスアカデミー理事、Field-R法律事務所 弁護士。1997年弁護士登録後、スポーツ、エンターテインメント業界に関する法務を主な取扱分野として活動。スポーツ仲裁裁判所(CAS)仲裁人 、国際プロサッカー選手会(FIFPro)アジア支部代表、世界選手会(World Players)理事、日本スポーツ法学会理事、英国スポーツ法サイト"LawInSport"編集委員などを務める。
鈴木友也
◎一般社団法人スポーツビジネスアカデミー理事、NYに拠点を置くスポーツビジネスに特化したブティック型経営コンサルティングファーム「トランスインサイト株式会社」創業者・代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て、 米マサチューセッツ州立大学アムハースト校スポーツ経営大学院に留学(スポーツ経営学修士)
。Forbes JAPAN Webにて「日米スポーツビジネス最前線」連載中。
村田 晋之佑◎シント=トロイデンVV(STVV)事業開発マネージャー。1989年生まれ、東京都出身。2008年に個人事業主として八百屋を創業その後法人化した八百屋を2011年に畳み、英国ヨーク大学入学。三井物産株式会社を経て2016年にリターニーズ株式会社創業・株式会社ジラフ入社。その後同社を退職し2社を起業。2019年11月から現職、クラブの現地でのビジネス活動全般の責任者を務める。
加藤 謙次郎◎湘南ベルマーレ・第三営業部長。1979年生まれ、神奈川県海老名市出身。東京急行電鉄株式会社で広報業務を4年間担当した後、株式会社ヤクルト球団へ転職し、「つば九郎」のプロモーションをはじめとしたファンサービスを企画推進。2014年1月に株式会社NPBエンタープライズへ出向、野球日本代表「侍ジャパン」事業に携わる。2018年11月より現職。
四方 健太郎
◎鎌倉インターナショナルFCオーナー。1979年生まれ、神奈川県横浜市出身、シンガポール在住。立教大学経済学部卒業後、アクセンチュア東京事務所にて、主に通信・ハイテク産業の業務改革・ITシステム構築に従事。2006年より中国に業務拠点を移し、大中華圏の日系企業に対するコンサルティング業務にあたる。2009年に独立し、現在クラブ経営の傍ら、東南アジアや南アジアで海外研修事業などを行う「スパイスアップ・ジャパン」などグループ数社を経営。

文=新川諒 編集=宇藤智子

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