今春にコラボ第1弾を実施したところ、その愛らしいデザインで出荷本数2000万本(昨年比114%)を突破。大反響を受けて7月12日に第2弾が発売された。その狙いと反響について、関係者に聞いた。
動物園・水族館を支援
1993年からコーヒーで人々を癒やし続けてきたマウントレーニア。森永乳業執行役員の篠原誠(営業本部 副本部⻑)によると、「マウントレーニア 深い癒やしプロジェクト」は、コロナ禍でストレスを抱える人々に「味覚だけでなく視覚でも訴えかけることで、さらに“深い癒やし”を届けたい」という想いで企画したもの。「癒やしといえばかわいい動物」ということで、全国の動物園・水族館に声をかけ、飼育員が撮影した“とっておきの1枚”をパッケージ化した。
さらに、売上の一部を動物たちの飼料代として寄付する仕組みを取り入れ、外出自粛要請による客足減少で存続の危機に瀕している動物園・水族館のPRおよび金銭的な支援にもつなげた。
実際に参加園からは、「熱海の観光に打撃を受けているが、このプロジェクトが起爆剤になってくれれば」(伊豆アニマルキングダム)、「動物園の存続の危機に貢献していただきたい」(天王寺動物園)などと、期待の声が寄せられている。
“自覚のないストレス”に癒やしを
企画を手がけた博報堂のクリエイティブディレクター・河西智彦によると、ヒットの要因は「癒やし」と「かわいい」の掛け合わせだ。
2020年に動物たちが“飼育員だけに見せる顔”を公開したことで話題になった姫路セントラルパークの「日本一癒されるサイト」などを手がけてきた河西。その経験から「コロナ禍で、自覚のないストレス(ステルスストレス)が溜まっている人が増えている。そのため、人々は今まで以上に“かわいいもの”に心を動かされやすくなっていると感じる」と分析する。
「瞬間的に、消費者の感覚に訴える力があるパッケージ」にこだわったことと、SNSでの拡散、さらに、4月16日〜5月16日に全国10路線で広告をジャックした「深い癒やしトレイン」の効果もあり、想定以上の成果を出すことができた。
河西はもうひとつのヒットの要因として「応援消費」を挙げる。購入するだけで動物園・水族館を支援できる設計にしたことも、購買を後押しした。
「『マウントレーニア カフェラッテ』〜深い癒やしパッケージ〜」第2弾は、7月12日以降、全国のコンビニ・量販店で随時展開予定。首都圏を中心に「緊急事態宣言」の発出、ワクチンや東京五輪の混乱が絶えない中で、再びより多くの人に「癒やし」を届けることができるだろうか。