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シェフが繋ぐ食の未来


小川さんは言う。「京都店は、ジェイアール伊勢丹内という立地条件と比較的リーズナブルな値段設定もあり、全店舗の中でも圧倒的に来店客数が多いんです。ですが、月1回3000円のお弁当を楽しみに来店するお客様も、2人で10万相当の高台寺和久傳のお客様も、どちらも期待値の高さは同じ。その期待値を超える満足を味わっていただけなければ、料理屋としては失格です。使える材料の違いなどはありますが、真摯に料理とお客様に向き合う。それが和久傳で学ぶホスピタリティーです」



去年からのコロナ禍で、和久傳も大変な思いをした。そんななか、小川さんは「時間がある分、生産者さんのところに頻繁に足を運んだ」という。

「自分たちが今できることは何なのか考えたんですね。それで京都店では、ステイホームの時間が長くなったお客様のために、ひと手間加えるだけでお店の味を楽しめる商品『くちなし』を開発・販売しました。

最初は『お家でできたての和久傳の料理を召し上がっていただきたい』という女性スタッフの一言から、自分が発案し、皆でアイデアを出し合って形にしました。半ば勢いで進め、これも私一人の判断でやらせてもらったことですが、お客様にも生産者さんにも喜んでもらえました。現在でも、月1回の定期便を楽しみにしてくださる方が大勢いらっしゃいます。コロナ禍にあって、料理、いや、“美味しさ”というものが、どれだけ人の心を幸せにすることができると再確認できました」


京都和久傳小川料理長(左)、若女将の桑村祐子さん(右)

サステナビリティの先駆者とも言える和久傳に身を置く小川さんにとって、SDGsとは何か。聞くと、即座に「教育です。それがすべて、何より大切なことです」という答えが返ってきた。

先輩の背中を追いかけ、技を磨き、女将らと活動をともにすることで意識を磨く。高い理念を掲げた和久傳の教育が、食の未来を明るく照らしている。

連載:シェフが繋ぐ食の未来
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文=小松宏子

環境問題サステナブル
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