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どんな天才経営者であれ、一人の力で事業を成し遂げることはできない。
その理想やアイデアを実現していく協力者の存在が不可欠であり、それがチームとなる。
名経営者はチームを動かす名人でもあり、その手法は今でも応用できる。
組織を大切にすることで成功した経営者たちの組織論の神髄を振り返る。





Jeff Bezos ジェフ・ベゾス アマゾン会長兼CEO
応用度★★

スピードこそが、ベゾスの勝因だった。インターネットで本を売るというアイデアを思いつくと、すぐにヘッジファンドの高給を投げ打ち、妻とともにシアトルに発ち、ガレージつきの部屋を借りた。ワークステーションを買い、ビジネスを立ち上げ、短期間での巨大化を急いだ。
一気に勝つためには、迅速な意思決定が求められる。各部署のチーム編成は、間食が2 枚のピザで足りる人数、つまり6〜8 人程度と定めた。それ以上だと、合意を図ることが難しくなり、急速に進化する電子商取引分野で成功することはできないと考えたのである。





Toshio Doko 土光敏夫 元東芝社長・元経団連会長
応用度★★★

「自分が先頭で働かないと、下はついてこない」。経営が悪化した石川島重工業(現IHI)や東芝を再建させた土光は、休日返上で早朝から働き続けた。工場にも盛んに足を運び、現場の声に耳を傾けた。人を「使う」のではなく、人を「生かす」ことがリーダーの役割だと考えた。
「どんな人にも必ず長所がある。上に立つものは、それを見つけ、生かすのだ。チームワークとは個を消すことでなく、個の長所をうまく組み合わせ、それを生かしあうことなのです」。一人ひとりの長所が異質であればあるほど、チームワークの相乗効果は大きい。





Steve Jobs スティーブ・ジョブズ アップル創業者
応用度★★★★★

ジョブズはアップルを創業したものの、技術は共同創業者、スティーブ・ウォズニアックの天与の才にお任せだった。お金は年長の成功者、マイク・マークラに出してもらった。経営は元ペプシコーラ社長、ジョン・スカリーがレールを敷いた。ジョブズは天才技術者ではなく、また天才経営者でもなかった。それを束ねる重力のような存在であり、生き方によって人を引きつけ、世界を変えた。そう、カリスマなのである。
ジョブズは大の音楽好きで、ビートルズの熱烈なファンだった。講演でビートルズに言及することもたびたびで、ポール・マッカートニーのコンサートに行ったときには、気軽にインビューに応じたりした。
「私のビジネスモデルはビートルズだ。4 人はともに自分のマイナス面をセーブしあっていた。互いが互いを補い、そしてまとまることで、個々を足した以上の力を発揮することができたのではないか」
ビジネスの世界でも、偉業は、個人によって成し遂げられるのではない。チームがまとまることで達成されるのだ。


強い組織を育てることが革新の近道である

「我々は、10年をかけ、クリエイティブな人材とテクニカルな人材を育ててきた。外部から気軽に調達できるものじゃないんだ。即戦力になるような人材なんて存在しない。だから育てるんだ」アップルを追放されて、ピクサーを創業したジョブズの言葉だ。当時、ピクサーは、ハリウッドでは異質な存在だった。業界では、売り込まれるストーリーにはお金を出すが、必要な人材はフリーランスで雇用される。それに対し、ピクサーは監督も脚本家もスタッフもみんな給料制の社員であり、ストーリーの持ち込みは原則お断りを貫いた。アイデアに投資するのではなく、人材に投資し、人材を育て、組織の力を強めることに力を注ぐ。そして、そこからアイデアを生み出したのだ。
私たちがジョブズから学ぶべきことは多い。彼ほどの革命は起こせなくても、日々の仕事のなかで、自分なりに小さな革命を起こすことはできるはずだ。

桑原晃弥 = 文 北島英之 = 構成

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