ニーマン・マーカスは、所有する貴重な芸術作品の一部も売りに出している。1970年代に活躍したファッションデザイナー「ホルストン」(ロイ・ホルストン・フローウィック)のスケッチや、ファッション写真家の故ビル・カニンガムの写真などだ。
さらに最近では、アレクサンダー・カルダーによる大型モビールが1820万ドルで落札されたと報じられている。このモビールは、ニューヨークのハドソンヤードにあったニーマン・マーカス店舗内に展示されていたが、同店舗はパンデミックのために2020年に完全閉鎖された。
おそらくニーマン・マーカスは資金を必要としていて、将来を安定させる方法を模索しているところなのだろう。同社は2021年3月、債務の借り換えをおこなった。現在9億ドルの融資枠からの借り入れはなく、2億ドルの現金を保有しているという。現状は厳しいが、バーグドルフ・グッドマンを売却すれば、ニーマン・マーカス・グループは安定性を高めることができるだろう。
一方で、バーグドルフ・グッドマンは、同グループの代名詞ともいえるニューヨークの店舗だ。ファッションイベントやダイレクトメールを強化して、この事業を拡充するという選択肢もある。あらゆるものが適正な値を求めて売りに出されているが、ニーマン・マーカスは、会社の柱としてバーグドルフ・グッドマンを残すかもしれない。
ニーマン・マーカスの広報担当者は次のように述べた。「現時点でバーグドルフ・グッドマンを売却するつもりはなく、そうした検討もしていない。我々は、会社の成長と強化のために、ビジネスとブランドに戦略的投資をおこなっている」