ビジネス

2021.07.14

H&Mのグローバル売上が回復、けん引役は米国、中国は23%減

Yuriko Nakao/Getty Images


H&Mが直面する問題のひとつが、物議を醸している新疆ウイグル自治区で生産される綿花だ。H&Mは使用中止という決断を下し、それに対して中国の消費者が反発している。

だが、別の要因もある。ファストファッションブランドは全般的に、中国消費者の需要を取りこめるだけの迅速さで適応できていない。さらにH&Mは、中国で13店舗を閉鎖したことで、同国店舗数は500店を割った。

世界全体では、H&Mは、すでに足場ができている市場を中心に、2021年の1年間で350店前後を閉鎖する見込みだ。一方、成長中の市場や新規市場で100店あまりの開店を予定している。

Eコマースにも重点が置かれており、この分野の第2四半期売上は40%増加した。

3月にはカタールで、フランチャイズ経由でオンライン店舗をオープンしたほか、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポールではEコマースプラットフォーム「Zalora」で開業し、成功を収めている。

4月には、58店舗を展開する傘下ブランド「ウィークデイ(WEEKDAY)」が、欧州の23市場で、Eコマースプラットフォーム「アバウト・ユー(About You)」上に店舗をオープンした。「ザランド」と競合するアバウト・ユーは、6月16日に株式を公開しており、上場によって得られた資金を元手にグローバル展開すると見られている。

また、H&Mは2015年から中古品販売プラットフォーム「セルピー(Sellpy)」の少数株主となっていたが、パンデミック前に過半数の株式を取得した。セルピーは、現在のスウェーデン、ドイツ、オーストリア、オランダの4市場に加え、欧州全土の20カ国で事業拡大を進めている。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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