進化する「バーチャルショッピング」 電子商取引分野で導入進む

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ブランドが仮想体験を活用する理由にはさまざまなものがある。高級ブランドのコーチは、ニューヨークの五番街にある旗艦店を再現した3D仮想ショールームを開設した。

同社グローバル・ビジュアル・エクスペリエンス担当上級副社長のジョバンニ・ザッカリエッロは「デジタルなショールームを持つことで、卸売りのバイヤーは実際に商品を見るため飛行機で移動することなく毎シーズン新たなコレクションを体験でき、当社の事業による二酸化炭素排出量を減らしつつ購入プロセスを速めることができる」と述べた。

ザッカリエッロはまた「当社は世界中のチームと視覚的な販売指針を共有する上でも、仮想ショールームを使っている」と説明した。

シャーロット・ティルブリーなど他のブランドは、オンラインショップを1年の行事に合わせて装飾するなどカスタマイズできるバーチャル旗艦店を立ち上げている。

日用品を販売するダーマロジカの新たな仮想ショッピングサイトではクールな音楽が流れ、非常に現代的なデザインが採用されていて、年齢別の商品や肌の美白、洗浄剤、プロのサービスに特化した指定セクションが用意されている。専門家とその場でチャットを通して会話したり動画を見たり、専門家による新商品の紹介を聞いたりすることが可能だ。

ダーマロジカのブランドマーケティング副部長を務めるケナ・ウィンジョーンズは「ブランドとして当社が特に優先していることの一つは消費者の教育だ」と述べ、「当社は、顧客独自のスキンケアのニーズを、顧客が求める買い物場所や方法で満たすことに専念している。そして多くの顧客は、自宅での買い物を好んでいる」と説明した。

今回の新たな資金調達ラウンドを率いたジャンプ・キャピタルのパートナー、イエレナ・シュコルニクは「新型コロナウイルス感染症により、ブランドは電子商取引を優先せざるを得なくなった。しかし多くのブランドは、自社のオンライン体験が主にフィルター処理を施したJPGイメージでできていて、消費者の関心を引き、商品を発見してもらう上でほとんど効果がないことに気づき始めている」と説明した。

翻訳・編集=出田静

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