変異し続ける新型コロナ、「ラムダ株」はデルタを超える脅威に?

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一方、良い知らせといえるのは、ワクチンが依然として有効だということは、米リジェネロンが開発した抗体カクテル療法も、引き続き有効だと考えられることだ。

ラムダ株の感染力が実際に従来型の株や他の変異株よりも強く、感染者をより重症化させやすいのか、そして現在使われているワクチンの有効性を下げるのかどうか判断するためには、さらなる研究が必要だ。

いま重要なことは─


新型コロナウイルスの複製と変異に関する科学を理解できる人なら誰でも、十分な数の人がワクチン接種を完了するまで、「変異株」が私たちにとって脅威であり続けることが分かるだろう。

新型コロナウイルスは、絶えず進化し続けている。重要なのは、感染の連鎖を断ち切るのに十分なだけの人がワクチンの接種を完了するまで、感染拡大のペースを可能な限り鈍化させることだ。

ウイルスがまん延している間、ワクチンを接種していない人は、「変異株の製造工場」としての役割を果たすことになる。つまり、感染した人の体内で、ウイルスは容易に複製を続けることができる(その過程で、変異株が生まれる)。

ワクチン接種を受けていない人たちには、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保など、感染を防ぐための行動が必要だ。それはその人自身を感染から守るだけでなく、新たな変異株の出現を遅らせ、社会全体を守ることにもつながるためだ。

それができなければ、パンデミックはさらに長引くことになるだろう。新しい変異株を指すギリシャ文字の残りは、減っていく一方かもしれない。

編集=木内涼子

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