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2021.07.16

企業の情報共有を革新する「Coda」の評価額が14億ドルに到達

Coda CEO シシル・メロトラ(Nicholas Hunt/Getty Images)

オールインワンのドキュメント作成プラットフォームとして知られる「Coda」が勢いを増している。Codaは、ウーバーやスポティファイ、ニューヨーク・タイムズなどの大企業でも採用され、チーム内のナレッジ共有やコラボを活発化させるドキュメントツールとして活用されている。

Codaは7月9日、シリーズDラウンドで1億ドルを調達し、評価額が1年前の2倍以上の14億ドル(約1540億円)に達したと発表した。同社は前回のラウンドでは、クライナー・パーキンスなどから出資を受けたが、今回の調達はカナダのオンタリオ州教員年金基金(OTPP)が主導した。OTPPは公共分野の投資で知られるが、スペースXやタニウム(Tanium)などにも出資している。

Codaのその他の出資元としてはコースラベンチャーズや、ゼネラルカタリスト、グレイロックなどが挙げられる。

今ではユニコーン企業に成長したCodaだが、創業者でCEOのシシル・メロトラ(Shishir Mehrotra)がグーグルの子会社であるユーチューブで働いていたときに、ベースとなるアイデアを同僚に話すとジョークだと思われたという。「2008年に初めてその話をしたときは、笑われていた」と彼は話した。

2002年からマイクロソフトに6年間勤務し、グーグルに移ったメロトラにとって、ユーチューブでの仕事は衝撃的なものだった。社員たちはグーグルのドキュメントやスプレッドシートをつなぎ合わせたワークプロセスを自分の手で開発していた。

「このようなドキュメントプラットフォームで数十億ドル規模の部門を運営できるという考えは、私にとって非常に新鮮だった。私はいつも、これが当社の秘密のソースだと言っていた」

メロトラは2014年にグーグルを退職してCodaを立ち上げたが、その際にグーグル時代に得た知見をインタラクティブでコラボレーティブなドキュメントプラットフォームに統合した。

メロトラは、新たな調達資金で、Codaの中核となるドキュメントエディターを刷新し、メールやカレンダー、メッセージングシステムなどを含むプラグインパッケージであるPacksを通じて、エコシステムを拡大する予定だ。また、来年中に現在130人の従業員を倍増させる予定という。

「市場に巨大な変化が訪れている今、投資家たちはそれに興奮して飛び乗ろうとしている」と、メロトラは述べている。

編集=上田裕資

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