大雨で土砂災害や洪水が増加。家を守る火災保険に「水災補償」はついているか?

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自動車保険のプランを提案された際の記憶を呼び起こしてみて、保険料負担が重いと感じた記憶がある人は、万全な一般型では契約していないかもしれないから、補償内容のチェックが重要になる。補償内容を変えたいときは、保険証券記載の担当者に連絡すればよい。

家の保険の見直しはいまが好機


最近、「ハザードマップ」という言葉がよく報道されるようになった。鬼怒川の氾濫や熱海の土砂災害も、ほぼハザードマップの被害予想通りだったからだ。水害や土砂災害リスクの大小は、国土交通省のハザードマップポータルサイトなどで簡単に確認できる。

「自宅付近を確認したら想定以上に洪水や土砂災害のリスクが高かった」という人は、家に「水災」の補償を付ける際に、長期契約にするのが合理的だ。火災保険料は、この4年で3回のペースで値上げされており、次回は平均で約1割程度の値上げが予想されている。

加えて、現在は最長10年の長期契約が結べるが、近々、最長5年に短縮される方向だ。さらに、「水災」の保険料については、2、3年先をめどに市区町村別に格差をつける案を損害保険業界で検討している最中であることも報じられている。

ハザードマップで「水災」リスクが高くなっている地域に今後も住み続けるのであれば、長期契約の火災保険でしっかり備えておくのが得策というものだ。数年分をまとめて一括で支払う必要があるものの、いまの割安な保険料で10年分の補償を確保してしまえば、今後に支払う保険料負担を大幅に減らせるはずだ。コロナ禍でボーナスの使い途も制限されているので、まとまった保険料の捻出もしやすい状況にあるだろう。

最後に、もしもの被災時に速やかに保険金を受け取るためのポイントについても触れておこう。

台風や集中豪雨等による洪水や土砂崩れによる被害では、原則として、訪問による被害状況の確認をしたうえで保険金支払いの対象となるかが判断される。

なので、被災後は速やかに保険会社に連絡することや、片づける前に被害状況を写真に撮っておくことはかなり重要だ。写真は、被害を受けた建物や家財の全体を撮影したもの(建物の場合は建物の全景写真)と、損傷箇所が確認できるもの(浸水の高さが分かるもの)を撮影しておくのがコツだ。

保険は、条件を満たして初めて保険金を受け取れる仕組みのため、損害の証拠はしっかり整えておきたい。火災保険の「水災」については特に気をつけたい。原則として床上浸水したときや再調達価額の30%以上の損害を受けたときでなければ補償対象にならないため、被災時の水位がわかる写真が重要だ。

連載:ニュースから見る“保険”の風
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文・図=竹下さくら

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