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子どもには将来、とにかく英語で苦労をさせたくない。できれば中学入学前に、ある程度の素地をつけさせたい。しかし、親は多忙、加えて親自身が英語が苦手、というケースは少なくないだろう。さらに、教え方がわからない、どんな教材を使ったらいいかわからない(選択肢が多すぎる)、子どもが興味を持たない……など、子をもつ親の「英語」に関する悩みは尽きない。

そんな中、ここに、「子どもの英語学習」における1人の成功者がいる。20年以上にわたって70冊以上の英語の本を日本に紹介してきた翻訳家、鹿田昌美氏だ。彼女は自らの息子に「がんばらせず」「親が教えず」、それでいて10歳で英検2級(高校卒業程度レベル)取得の快挙を実現した。彼女が息子の教育で実践したのは、「しない」ことで目的を叶える、ある意味逆説的な学習法ともいえる。

そんな鹿田氏が悩める保護者のため、『「自宅だけ」でここまでできる! 「子ども英語」超自習法』(飛鳥新社刊)に、「英語自宅学習」の極意をまとめた。多忙を極めるビジネスパーソンでも実践できる、本当に効果のある「子ども英語の自宅学習法」とは。少しのぞいてみたい。

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70冊を翻訳した翻訳家の「メソッド」は強い


まず慶應義塾大学教授・日本赤ちゃん学会理事、皆川泰代は、本書冒頭「推薦の言葉」で以下のように書く。

「私は普段『慶應義塾大学赤ちゃんラボ』にて乳幼児の言語コミュニケーション能力の発達について脳科学実験や実験心理学で明らかにする研究を行っています。ですので、言語獲得についての科学的知見にそれなりに精通しているはずなのですが、そんな私が最初に本書の『リスニングが9割!』という見出しを見て、正直なところ『え! それはむずかしいのでは? 』と少し狐につままれたような気持ちになりました。なぜなら、受け身の一方的なリスニングやDVD視聴は、乳幼児の言語獲得に効果がないことが科学的にも多く示されているからです。

しかし、読んでいくうちにだんだん腑に落ちてきました。それどころか、言語心理学者としても夢中に読み進めました。ここで紹介されているのは、『実験室』の実験ではむずかしかったリスニングだけの学習を『おうち』で可能にさせる仕組みや仕掛けだったのです。ただの聞かせっぱなしではなく、英語と子どもをいかに親がうまい具合につないであげるか、その技が本書には満載なのです。『鹿田メソッド』とも呼べる新しい方法かもしれません。

81項目にわたって紹介される『鹿田メソッド』の仕掛けや説明には、言語心理学者としても感心するものも多く、専門家から見ると行動主義的な心理学に由来する技や言語獲得研究から明らかになった知見に基づくものも含まれています。これまでに70冊もの本を翻訳した著者の知識とリサーチ能力ならではの成果です。

文=鹿田昌美 構成=石井節子

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