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2021.07.17 17:00

米国の住宅リフォームを革新するスタートアップMade Renovationの挑戦

左からCEOのRoger DickeyとCOOのSagar Shah(c)Made Renovation

バスルームのリノベーションを手がけるサンフランシスコ本拠のスタートアップ「メイドリノベーション(Made Renovation)」は7月8日、シリーズAで2300万ドル(約25億円)を調達したと発表した。同社は、従来のスキームでは煩雑な個人宅のリノベーションを、Eコマースのように手軽にすることを目指している。

今回のラウンドは、Insight Partnersの主導によるもので、既存出資元のBase10 PartnerやFounders Fund、Felicis Venturesらも参加した。

同社の共同創業者でCEOのロジャー・ディッキーによると、住宅リノベーション分野では、顧客が手間を恐れていることや、業者が手がけたいと思うほどのマージンが得られなことが課題となっているという。

「この分野では需要があるのに、供給が非常に限られている。そんな状況を変えたいと思った」と、ディッキーは話す。メイドリノベーションは、デザインや材料の調達、実際の施工を含めたフルスタックのリノベーションを顧客に提供する。

ディッキーによると、同社はデザイン、材料の調達、実際の施工を含めたフルスタックのバスルーム・リノベーションを提供しているという。彼らは顧客の要望に合わせて複数のデザインを提案し、約100社の建築パートナーの協力を得て工事を行っている。

2019年7月にサンフランシスコとロサンゼルスでローンチした同社は、昨年4倍に成長し、現在は1日あたりの売上が5万ドル以上に達しているという。先日はシアトルに進出したメイドリノベーションは、今後は全米展開を予定している。

パンデミックの影響で、人々が自宅で過ごす時間を増やしたことで、リノベーションの需要は急拡大したとディッキーは話す。「人々は手元に資金があっても、それをレジャーで消費することが出来ずにいた。それに、自宅にこもりがちになる中で、トイレに行く回数も増えた」と彼は話した。

ディッキーはかつてゲーム業界で働き、Dope Warsという企業を設立して、ジンガに売却した。その後、ジンガで最も人気のあるゲームの一つの「Mafia Wars」のチーフアーキテクトとして活躍した彼は、同社を退社後にソフトウェア企業Gigsterを共同創業し、Ionic Partnersに売却した。

彼と共にメイドリノベーションを共同創業したUCバークレー校出身のSagar Shahは、元NASAの社員でeラーニング関連の企業を立ち上げていた。2人は投資家を通じて知り合い、2019年に会社を立ち上げて以来、50人の従業員を抱える規模に成長させた。メイドリノベーションは、昨年初めに900万ドルを調達していた。

今回のシリーズAを主導したInsight Venturesの担当者のNikhil Sachdevは、住宅リノベーション分野の課題は、顧客が適切な業者にたどり着くまでのプロセスが非常に複雑であることだと述べている。

「メイドリノベーションは、複雑なプロセスをより簡単にし、顧客にEコマースのような手軽さで住宅リノベーションを提供している」と彼は述べている。

編集=上田裕資

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