自動車に比べると環境負荷は軽微なものの、鉄道では約4%と、ほぼ同等だ。
国内大手は環境対策に乗り出し、この6月に全日空と日本航空は、バイオジェット燃料を使った国内便運航を開始した。
その一方で今回、ユーグレナが同社開発のバイオ燃料を搭載した、民間小型機のフライト実験を行った。
10年以上かけた挑戦
6月4日ユーグレナは、国交省が持つ飛行検査機で、代名詞でもあるミドリムシなどから生成されるバイオ燃料を使った飛行実験に成功した。29日には2回目の実験が行われ、その様子は報道陣にも公開された。
実験に導入されたのは、ホンダジェット。個人投資家で自家用飛行機のパイロットでもある千葉功太郎氏らが共同所有するものだ。
鹿児島空港から羽田空港を目指したホンダジェットには、千葉氏のほか、ユーグレナの代表取締役社長、出雲充氏、同取締役副社長の永田暁彦氏が搭乗した。
機体を提供した千葉氏は、「歴史的な日。鹿児島から羽田まで飛行したが、違和感は全くなく、新しい時代が始まった」とコメントした。
同社は、2010年にバイオ燃料の製造研究を開始。18年11月に、日本初のバイオジェットディーゼル燃料プラントを竣工させた。20年には自動車や船舶に同社開発のバイオディーゼル燃料が使われ始め、今年6月、ついに航空機への適用に至った。
ユーグレナは、開発する燃料を「サステオ(サステナブルなオイル)」と銘打つ。CO2排出はゼロではないが、従来の化石燃料と比べ削減されるという。
「55年前の今日、ビートルズが初来日しました。私たちは日本の空の新時代を築くべく、彼らと同じようにハッピを羽織りました」
法被姿で会場に現れた出雲社長(撮影=北島幸司)
「もう『飛び恥』(CO2を多く排出する飛行機ではなく、鉄道や船を利用しようという運動 )とは言わせません。2050年、CO2排出量をゼロにできる未来を作り上げていきます」
出雲社長は、機体から降り立った後、記者発表会で力強く語った。