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デジタルヘルス関連企業の資金調達は、四半期ごとに記録を更新し続けている。2021年上半期におけるベンチャーキャピタルからの調達額は147億ドルに達した。

デジタルヘルス専門のベンチャーキャピタル、ロックヘルスの最新報告によると、この金額はすでに、2020年の1年間に獲得されたベンチャー資金の総額を上回っている。新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、新たなデジタルヘルス技術の導入が進んでおり、すでに2021年第1四半期のベンチャー資金獲得額は67億ドルと過去最高を記録していた。

ロックヘルスのビル・エバンズ(Bill Evans)CEOは、2020年と比べて大幅に調達額が増えたことに少し驚いているとしつつ、条件は整っていたと述べる。「ペースが上がり、1ラウンドあたりの調達額が増加した」とエバンズは言う。その結果、2020年後半には毎週平均7件、総額2億8500万ドルだったデジタルヘルス関連案件が、2021年前半には週平均11件、総額5億4800万ドルに跳ね上がったのだ。

ロックヘルスの報告によると、2021年は現時点で1億ドルを超える大型取引が48件成立した。ブルームバーグによると、トップは体重管理アプリのヌーム(Noom)で、5月に5億4000万ドルを獲得し、37億ドルの評価額を得た。2位につけるのはバーチャルプライマリーケアおよびバーチャル薬局のスタートアップ、ロー(Ro)で、評価額50億ドルでラウンドを終え、5億ドルを調達した。3位のAI創薬企業インシトロ(Insitro)は、4億ドルでラウンドを終えた。

このようなメガラウンドや数十億ドルもの評価額は、ほんの数年前には存在しなかったが、それは業界がまだ黎明期にあったためだと、エバンズは言う。デジタルヘルス・スタートアップのいわば「ベビーブーム」だった当時に比べ、現在はラウンドC、D、Eといった後期成長期に入っている。エバンズによれば、「機能的で生産性の高い事業を実現し、規模を拡大するには、大量の資本が必要だ」

リンクトインの共同創業者リード・ホフマンによる造語「ブリッツスケーリング(blitzscaling:総力を挙げて成長に集中する電撃戦)」は、まさに現在のデジタルヘルス市場にあてはまる。この言葉が意味するのは、「競合他社を規模で上回らなければならず、そのせいで競争が激化する」状況だ、とエバンズは説明する。

現在このアプローチをもっとも体現しているのは、巨大投資企業タイガー・グローバルだろう。ロックヘルスの分析によれば、同社は2021年の現時点までに14件のデジタルヘルス関連投資をおこない、総額18億ドルと、まさに「ブリッツファンディング」を実施してきた。タイガーの投資先はVirta Health、シーダー、ライトウェイ、Innovacerなどで、いずれも評価額が10億ドルを超えている。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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