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米国発、次世代金融動向を読み解く


米国では、昨年、通貨監督庁(OCC)が銀行の暗号資産保有・使用を正式に認めるという前向きな動きがある一方で、暗号資産の明確な法的なフレームワークができておらず、業界は今なお混乱したままである。新政権下において、イノベーションを促進する先進的な規制の枠組み作りが期待される。

さらに、マネーロンダリング対策のための国際的な規制厳格化・協調化の動きも進んでおり、金融活動作業部会(FATF)が策定したアンチ・マネロンやテロ資金供与対策のガイドラインである「トラベルルール」に暗号資産業界も対応していくことが求められている。トラベルルールでは、仮想資産サービスプロバイダー(VASP)が、伝統的な金融機関と同水準の顧客確認を行うことが求められており、今後各国の対応の仕方によっては暗号資産業界に非常に大きな影響を与える可能性がある。

トレンド6:暗号資産業界の「ネットスケープ・モメント」


21年4月に、米国最大の暗号資産取引所である「Coinbase(コインベース)」が直接上場を果たしたことで、まさに暗号資産業界の「ネットスケープ・モーメント」であると業界が沸き上がり、暗号資産市場も連日活況ぶりを見せた。ネットスケープがインターネット企業の先駆けとしてIPO(新規株式公開)したことが一つのマイルストーンとなって、その後インターネット産業が急拡大していったのと同じようなことが暗号資産業界でも起こるだろうという期待感だ。

上場後に時価総額は一時7兆円を超え、東京証券取引所の上場銘柄の時価総額ランキングで9位に相当する三菱UFJフィナンシャル・グループの時価総額に匹敵するレベルとなった。

今後、Coinbaseの他にも2012〜15年に創業された第一世代の暗号資産企業がIPO(新規株式公開)に向けて動くことが想定される。米国の株式市場では、SPAC(特別買収目的会社)を通したIPOの動きが活発化しており、以前に比べ、いわゆる「ムーンショット株(すぐに利益は出ないが壮大で野望的な事業を行う会社)」がIPOしやすい土壌ができ始めている。その波に乗って、今後暗号資産・ブロックチェーン企業のIPOがさらに加速する可能性は高い。

文=吉川絵美

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