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2021.07.12

ビットコイン3万ドル割れで「2018年の冬」が再来する恐怖

Getty Images

ビットコインやその他の暗号通貨の価格は、中国での取り締まりを受けてここ最近、下落している。

ビットコインの価格は5月の暴落で50%も低下し、7月11日現在で3万3000ドル台となっている。そして、ビットコインに次ぐ規模の暗号通貨であるイーサリアムの価格も5月の最高値の4300ドル台の半分以下に下落し、2000ドルをやや上回る水準だ。

そんな中、中国の暗号通貨のマイナー(採掘者)らが、GPUを廃棄していると報道されたことで、中国の採掘能力の一部が失われたとの見方が広がり、アナリストはビットコインやイーサリアムの価格が危機的状況にあると警告している。

香港に拠点を置く取引所OKExのアダム・ジェームズは、中国のマイナーらがマシンを投棄していることについて、「中国政府の取り締まり強化を考えると驚きはしないが、この展開は市場に根本的にネガティブな要素を与えるかもしれない」と述べている。彼は「ここ数日で市場のセンチメントが大きく低下した」と指摘した。

一方、ソーシャルメディアでは、中国が主要な取引所へのアクセスをブロックし始めたという声もあがっている。一部のユーザーは、数日前からHuobi(フォビ)やバイナンスにアクセスするために、VPNを用いて位置情報を隠蔽することが必要になったと述べている。

世界最大の取引所であるバイナンスは、米国や欧州の国々が同取引所に対する監視を強化したため、ここ数週間、世界的な規制と戦っている。

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中国政府の先月の取り締まりは、ビットコインのネットワークの安全性を確保し、取引を検証するため高性能のコンピューターを使用している人々を国外に追放した。マイナーたちが中国から追放されたことで、どれだけのマシンパワーがネットワークに向けられているかを示す指標のビットコインのハッシュレートは、ここ2週間の間、13カ月ぶりの低水準となっている。

イーサリアムネットワークも中国の禁止令の影響を受け、ハッシュレートは5月以降に約20%低下している。

大規模な雪崩が発生する可能性


ビットコインの価格は先日、3万ドルを割り込んだ後、若干回復したものの、5月の暴落からの回復には程遠く、関係者たちは不安を感じている。

FxProのアナリストのAlex Kuptsikevichは、筆者の取材に「今は嵐の前の静けさなのかもしれない。ビットコインが再び3万ドルを下回ると、新たな清算の波を引き起こす可能性が高い」と警告した。

「市場が少数のオープンポジションの影響を受けている場合、どんな小さな嵐も大規模な売りを呼び起こし、ストップオーダーの雪崩が発生する可能性がある。しかし、投資家が最も憂慮すべきは調整局面が長期化し、2018年のような冬の時代が到来するという憶測が高まることだ」とKuptsikevichは述べた。

編集=上田裕資

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