選考に残る、海外就職「英文履歴書」5つのコツ

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4. インタビューのフックを忍ばせる(実例④)


レジュメはA4用紙1枚に収まるよう簡潔にまとめることが基本であるため、全てを記載する必要はありません。インタビューでさらに深掘りしてもらえるよう、質問に誘導する「ツッコミどころ」を用意しておくと良いでしょう。レジュメの目的はインタビューへ呼ばれることですから、「会って詳しく聞いてみたい」という印象を残したいものです。

そのためには、応募する職種と関係のない職歴や経歴を思い切って割愛するのも効果的な手法です。参考レジュメの実例④では、アピールにつながりにくい国家公務員としての職務経験を割愛しました。相手の関心をアピールしたい部分に向け、相手が求めるスキルや経験についての議論に時間を使えるよう配慮しています。

5. 取り組みや実績は、形容詞ではなく「具体的な数字」で語る(実例⑤)


アイデアやアクション、結果を「数字」で表すと、説得力が出るだけでなく、間接的に、論理的思考や構造把握、分析力等を伝えることができます。「売上を大きく伸ばした」、「画期的な技術革新を主導した」のような、人によって受け取り方が変わる抽象的な記載では、それによりどのくらいのインパクトが生まれたのか、技術革新でどのような変化が出たのかは伝わりません。

参考レジュメの実例⑤のように、「原価の30%低減」や「需要予測の週次誤差を27%から17%に減らした」などと、数値を用いて客観的に説明することで、インパクトを評価しやすくなります。また、どうやって実現したのか、何に苦労したのか、反省点はあるか、など次の会話につながりやすいというメリットもあります。

日本の感覚では、控えめなアピールや謙虚さが美徳とされることもありますが、海外(特に米国)においては、がっつり盛る、くらいの感覚がちょうど良いでしょう。当然ながら、一般的にはバックグラウンドチェックが行われますので虚偽やでっち上げはNGですが、売上等の数字を切り上げて丸めたり、異なる複数の経験を一つのストーリーとして伝えたりなどの工夫から始めるのがオススメです。

書類審査で重要なカギを握る英文履歴書ではありますが、その内容・形式ともに、日本とは根本的に異なります。背景を正しく理解して、履歴書やLinkedIn等のツールを定期的に更新しておくことで、自身のキャリアの棚卸しや異文化理解につながりますし、予期せぬチャンスが転がり込んでくる可能性も広がります。海外就職をするかどうかに関わらず、一度準備しておくのが良いでしょう。

文=伊藤みさき 構成=竹崎孝二

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