ミーティは2019年に、地元コロラド大学ボールダー校出身のタイラー・ハギンズ最高経営責任者(CEO)とジャスティン・ホワイトリー最高技術責任者(CTO)が創業した。キノコの根にあたる菌糸体から、スライスしてサラダの上にのせられるステーキや、パン粉をまぶしてフライにしてサンドイッチにできる鶏むね肉のような、塊の代替肉を開発するフードテック企業だ。
「最終的に、当社はまったく新しいタイプの食品、全く新しいタイプのタンパク質をもたらすことになるでしょう」とハギンズは力を込める。
ミーティは菌由来肉を製造するために発酵技術を用いる。この技術は最近、投資家を引き寄せている分野だ。非営利団体のグッドフード・インスティテュート(GFI)によると、代替タンパク質を手がけるスタートアップによる2020年の資金調達額20億ドル(約2200億円)のうち、少なくとも4億3500万ドル(約480億円)は研究開発で発酵技術を利用している企業によるものだった。
米国には現在、発酵技術によるタンパク質生産の商業化に取り組んでいるスタートアップが20社以上ある。ミーティは業界で唯一の公益法人となっている。
菌類由来の製品に期待する投資家は、こうした製品は大豆やエンドウ豆由来の製品に比べ、原料が少なくすみ、加工もあまり必要なく、しかも栄養価は高いため、将来的に成功する可能性が高いとみている。もっとも、商品化に向けてはまだ多くの課題があり、創業3年のミーティには何社かの競合相手も存在する。
ミーティによると、同社の菌糸は「きわめて資源効率が高く」、工場では24時間で牛4500頭分にあたる代替肉を大規模生産する予定だという。これにより、工業型畜産による従来の食肉と同程度の価格を実現できるとハギンズは述べている。
今回の資金調達ラウンドはエーカー・ベンチャー・パートナーズとボンドが主導し、このほかプレリュード・ベンチャーズ、コングルーアント・ベンチャーズ、タオ・キャピタルが参加した。