Author | Broadcaster | Journalist | Commentator | Speaker.

Getty Images

欧州で会社を経営することは、チャールズ・ディケンズの小説『二都物語』の書き出しのようなものだ。つまりそれは、最良の時にもなりうるし、最悪の時にもなりうる。

すべては、どこで開業するかに左右される。そしてそれは、国外のベンチャーに投資する際に、投資家が考慮すべき要素でもある。

最近公開された2021年版「世界ビジネス複雑性指数(Global Business Complexity Index)」では、ドイツとスウェーデンに窮屈に挟まれた北欧のデンマークが、世界でもっともビジネスをしやすい国にランクづけされている。同リポートは、次のように説明している。

「デンマークでは、1日で会社を法人化できる。これは、あらゆる登記に対応する単一のエントリーポイントが存在し、必要なすべての団体や組織に自動的に通知されるからだ」

フランスは、ランクづけの対象になった77カ国のうち、下から2番目だった。「複雑さワースト2というフランスの順位は、会計および税務プロセスの複雑さと、従業員の側に立つ傾向がきわめて強い人事関連規制に原因がある」とリポートには書かれている。

ビジネスをするのがもっとも難しいとされた国は、ブラジルだ。

リポートの著者らによれば、評価の対象になった77カ国は、世界GDPの92%を占めているという。この調査で評価されているのは、会計と税務、会社などの事業団体の設立と維持、人事および給与規則の複雑さだ。

この調査では、ビジネスのしやすさは、必ずしも市場の規模と密接に結びついているわけではないことが明らかになっている。

「ビジネスの複雑性に関する調査報告をおこなって今年で8年になるが、その継続的な観察から言えるのは、企業経営という点でとくに魅力の大きい市場のいくつかは、もっとも複雑であり、かつ過ちに対する罰がもっとも大きい市場でもあるということだ」

※編集部注:同リポートでの日本の順位(59位)

雇用関連規則の厳格化


従業員に関する規則は、企業の所在地に関係なく、ほぼどこでも厄介な問題になりつつある。

2020年には、理由を説明せずに従業員を解雇することがいっそう難しくなった。さらにリポートによれば、アルゼンチン政府はいまや、パンデミックに伴う暫定措置として、「いかなる理由であっても」労働者の解雇を政令で禁止しているという。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

PICK UP

あなたにおすすめ