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まずは、毎日痛みの程度と気圧の値を記録するのがおすすめだ。天気と痛みの関係がはっきりすれば、「この痛みは気のせいだろうか」というモヤモヤとした悩みが原因のあるものだとわかり、それだけでもずいぶんとスッキリするものだ。

そのうえで、ウェザーニューズの天気予報アプリの中にある「天気痛予報」など、天気痛に特化した天気予報をチェックすると、「これから体調が悪くなりそうだな」とあらかじめ心づもりしておくことができる。なお、この「天気痛予報」のなかには「わたしの天気痛メモ」という機能があり、そこで体調や服薬を記録できる。

実際に症状が出てきたら、「くるくる耳マッサージ」をするのもよい。具体的には、下記の4ステップで行う。

1. 親指と人差し指で両耳を軽くつまみ、上・下・横にそれぞれ5秒ずつ引っ張る
2. 耳を軽く横に引っ張りながら後ろ方向に5回、ゆっくりと回す
3. 耳たぶを耳の上とくっつけるように半分に折り曲げて5秒間キープする
4. 掌で耳全体を覆い、後ろ方向に円を描くように5回ゆっくりと回す

これならオフィスでデスクワークの合間に手軽に行うことができそうだ。

また、座り仕事が続くとどうしても足がむくみやすくなるが、これも雨の季節の天気痛を悪化させる原因にもなる。そこで、むくみ防止のために、昼のうちに着圧ソックスを履いておくのもよいだろう。トイレに立つついでやコーヒータイムにこっそりスクワットをしたり、つま先立ちをしたりするのも効果的だ。

テレワークで運動不足を自覚しているのなら、昼休みや朝夕などに意識して時間をつくり、ウォーキングや軽いランニングも行うのもよい。外に出れば、汗をかいて体内の熱を逃がすためのトレーニングにもなる。熱中症患者が最も多くなるのは体が暑さに慣れきらない梅雨明け直後だ。体を暑さに慣らすことは熱中症対策にも有効だ。

梅雨の長雨が、頭痛や体のだるさの原因になりやすいことはわかったと思う。しかし、梅雨が明けた後もまだまだ天気痛の季節は続く。台風が接近・通過すれば気圧が劇的に変化するため、体調が悪くなりやすい。また、意外と見落とされがちなのは、夏場に発生しやすい急な大雨だ。前出の佐藤教授はこう注意を促す。

「いわゆるゲリラ豪雨と呼ばれるような突然の大雨は、5hPa(ヘクトパスカル)程度と、ほんの少しだけ気圧が下がります。局所的かつ短時間の現象なので、天気図には表示されませんが、このようなわずかな下がり具合でも、体調に影響する人がいることがわかっています」

なお、ウェザーニューズの「天気痛予報」には、天気痛の可能性が市区町村ごとに予報として表示されるのだが、画期的なことにこの局地的な大雨によるわずかな気圧の変化も考慮されているという。天気痛予報は刻々と変わっていくので、気象の変化に特に敏感な人は、こまめにチェックしておくと安心なのではないだろうか。


佐藤純(さとう・じゅん)◎愛知医科大学客員教授。中部大学教授。2005年、愛知医科大学病院痛みセンターにて、日本初の気象病外来・天気痛外来を開設。30数年にわたり、気象と痛み、自律神経との関係を研究している。

今井明子(いまい・あきこ)◎サイエンスライター。気象予報士。2001年京都大学農学部卒。科学雑誌「Newton」やWEBニュースサイトなどで気象、地球科学、健康・医療、生物の分野の科学記事を執筆する。

文=今井明子 編集=松崎美和子

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