「先延ばし癖」と縁を切る3つの科学。自滅ループは今日から断てる

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「先延ばし癖」とオサラバするために


では、常習犯はどうすればいいのだろう? 次にやる気が起きなくなったときは、次の3つを試してみてほしい。

1. 避けている理由を突き止めよう

あなたは怠けているわけではない。恐れているだけだ。やるべきことを先延ばしするのは、その仕事に抱く不快な感情から逃げているのだ。先延ばしの原因は恐れ──失敗または成功への恐れ、あるいは完璧にできないことへの恐れにある。恐れは強力な感情だ。人は、楽しいと思えないことをするよう強いられると不安を覚え、なんとか逃れようとする。だが、SNSをスクロールすることなどに逃避したところで、一時的な解決策にしかならない。自分の感情と向き合うことから始めないと、気持ちをコントロールすることはできない。

2. 先延ばしにしている自分を許そう

ピチルら心理学者に言わせると、先延ばし癖のある人の多くが自分に寛容でないという。常習犯に効果のある良薬のひとつは、先延ばししている自分を許すことだ。ある研究によれば、試験勉強を怠った自分を許した学生は、次の試験では勉強を先延ばししないようになった。

自分に寛容であるのが有益なのは、先延ばしが自己否定の感情と結びついているからだ。自分を許せば罪悪感が薄れ、先延ばしを誘発する大きな要因のひとつが取り除かれることになる。

3. とにかく始めてみよう

多くの人が「自分の感情は目の前の仕事によって左右される」という誤った考えを抱いている、とピチルは言う。実際は、ただやる気が出ないだけで、仕事そのものの問題ではない。

そういうときは、感情を無視して、次にとる行動のことだけを考えるといい。「自分に『早くすませよう』と命じても、やる気が出るわけがない」とピチルは言う。「それよりも、こう言えばいい。『とにかく始めてみよう』と」

仕事は「小分け」に


──ピチルのお勧めは、容易にこなせるだけの量に仕事を小分けにすることだ。たとえわずかな量でも、それが完了すれば次に進むことができるし、仕事全体に対しても前向きになれる。だんだん自信がついてくるし、先延ばしして楽になりたいという欲求も弱まってくる。

自分の関心を「感情から行動へ」と切り替える。それだけで、取りかかった仕事を最後までやり通せるようになるはずだ。

翻訳・編集=高橋知子/S.K.Y.パブリッシング・石井節子

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