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スコット・ゴットリーブ前食品医薬品局(FDA)長官(Getty Images)

米西部と南部の多くの州で新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」が広がるなか、スコット・ゴットリーブ前食品医薬品局(FDA)長官は、感染力の強いこの変異株によって、米国である程度の免疫をもつ人の割合は、ワクチン接種率が横ばいで推移したとしても、現在の約50%から85%程度まで高まりそうだとの見方を示した。

CBSニュースの4日の番組で述べた。米国では新型コロナウイルスに対して人口の3分の1が自然感染しているほか、ワクチン接種によって人口の約55%が部分免疫を得ている。

ゴットリーブは、なお大勢の米国民が新型コロナウイルス感染症にかかりやすい状態にあるとし、こうした人たちはどのようにして免疫を獲得するか選ばなくてはならなくなっていると指摘した。自然感染による免疫獲得については、リスクが高くなるうえ、8カ月後には弱くなるとも語った。

ゴットリーブは、米国では以前の感染やワクチン接種によって、人口のかなりの部分が免疫をもつようになっている結果、感染数や入院数、死者数の間の連関がみられなくなっていると説明。新型コロナは今後、特定の地域や人々の間でみられる「風土病」になる可能性が高いとし、長期にわたって対処していく必要があるとの認識も示した。

新型コロナのパンデミックが始まって以来、専門家たちは、ウイルスに対して人口の一定割合以上が免疫をもつと、感染患者が出てもほかの人へ感染しにくくなる状態である「集団免疫」が達成されれば、新型コロナの脅威は大幅に減るとしてきた。

米国の感染症専門家のトップであるアンソニー・ファウチ国立アレルギー感染症研究所長は、人口の70〜85%くらいが免疫を獲得すれば集団免疫に達しそうだと述べているが、ほかの医療関係者からは、感染力の強いデルタ株によって、必要な割合はさらに高くなった可能性があるとの見方も出ている。

州内ですでにデルタ株が支配的な株になっているカリフォルニア州の公衆衛生官、トマス・アレゴン博士は、「新型コロナと変異株の感染拡大を止めるためにわたしたちにできる最も大切なことは、対象となるすべての人がワクチンを受けることです」とあらためて注意を喚起している。

ジョー・バイデン米大統領は独立記念日の7月4日までに成人の70%がワクチンを少なくとも1回接種するという目標を掲げていたが、大部分の州が目標を達成できず、全米の接種率は67%にとどまっている。

編集=江戸伸禎

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