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2021.07.07 17:00

スタートアップ起業家の登竜門、150社から2社に優秀賞 #RISINGSTAR

撮影=小田駿一

撮影=小田駿一

果たして、このなかから未来のユニコーンは生まれるのか──。創業3年目以内のスタートアップ起業家・経営陣を応援するコミュニティプロジェクト「Rising Star Community 2021」のピッチイベントが7月1日、開催された。Forbes JAPANのYoutubeアカウントからライブ配信され、過去最多の1300人以上が視聴する盛り上がりをみせた。


Rising Starのピッチイベントは、本誌主催「日本の起業家ランキング」の登竜門と位置づけられる。今年は150社以上がコミュニティへの参加を表明し、そのなかから編集部が将来有望な5社の起業家を選出。イベントでのピッチを受けて、2人の優秀者を「Rising Star Award」として表彰した。

審査は「起業家の志、理念の高さ」「ビジネスの革新性、社会的インパクト」「起業家と経営チームの成熟度」「これまでの実績」の4点を軸に、スタートアップ起業家としての総合的なポテンシャルを評価。

審査員は、Forbes JAPANが毎年行なっている「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」で過去に1位に輝いた高宮慎一(グロービス・キャピタル・パートナーズ、2018年)、村田祐介(インキュベイトファンド、2017年)、加藤由紀子(SBIインベストメント、2015年)が務めた。

今回は、エネルギーや不動産、宇宙など多岐にわたる分野に挑む挑戦者たちが、熱いピッチを繰り広げた。まずは、受賞した2社を紹介しよう。

アスエネ 西和田浩平 クリーン電力の小売りを展開

西和田浩平(撮影=小田駿一)


脱炭素化への社会的な要請が高まるなか、再生可能エネルギーの発電所と企業の間にたってクリーン電力の小売りを展開している。特徴は、ブロックチェーン技術を活用した独自のトラッキングシステムによって、企業がどの地域のどの電力を使うかを選べること。

例えば、千葉県の会社が千葉の風力や太陽光による発電のエネルギーを使えば、電力の地産地消ができ、脱炭素化への貢献はもちろん、地方創生や地元地域へのブランド力の向上につなげることができる。

菅義偉首相が50年までの脱炭素社会の実現を目標に掲げるなど、社会課題のど真ん中で、非常にテーマ性が高い領域に挑戦。19年10月の創業だが、事業が絵空事ではなく、「(顧客獲得数は)毎月80%伸びている」(西和田)など実績をあげていることが評価された。

TERASS 江口亮介 フリーランスの不動産売買を支援

江口亮介(撮影=小田駿一)

デジタル技術を活用して、フリーランスの不動産エージェントを支援するプラットフォームを運営。週6日勤務や海外と比べて低い給与水準、ハードルの高いノルマなど、課題が多い中古不動産のエージェントに対して、負担のかかる集客や書類作成の代行などをサポートし、効率的に働ける環境を提供。店舗費や中間コストの削減により、不動産会社勤務や独立開業と比べてエージェントの収益率を高めている。家を買いたい人とエージェントとのマッチングサービスも運営。

ビジネスモデルの完成度が高く、単月で13億円の取引高を記録していること、年収が増えて勤務時間が減ったエージェントの事例が実際に増えているなどの実績をあげている点、またDXが遅れている不動産業界の変革に挑むモチベーションの高さが評価された。
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文=露原直人 撮影=小田駿一

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