データ規制はスモールビジネスを破壊する
「我々のプラットフォームを利用する2億社の一部と協力し、彼らが新しい顧客にリーチしたり、新たな仕事を生み出すことを紹介することは何も悪いことではない。我々は、スモールビジネスとアドバイスを提供し合う機会を設けており、そのことを公表している。従来は大手広告主の特権であった無料サービスや割安な広告を、今後もスモールビジネスに提供していく」
今回明るみに出た事実は、ビッグテックが公共政策を巡る戦いにおいて、スモールビジネスと緊密に連携している実態を示している。Tech Transparency Project が以前公表したレポートによると、2019年にビッグテックが反トラスト法違反の疑いで追及された際も、3Cはスモールビジネスに焦点を当てたキャンペーンを展開してビッグテックを支援したという。
その中の1社で、サウスカロライナ州トラベラーズ・レスト本拠のGeoff’s Farmhouse Tablesのオーナー、Myles Haganは声明の中で次のように述べている。「フェイスブックやグーグル、アマゾンがいなければ、州外の顧客にリーチすることはできなかった。議会がビッグテックを追求すると、我々のようなスモールビジネスが打撃を受ける」
3Cは、PR業界の元重役で、メイン州選出の共和党議員オリンピア・スノーの広報官も務めたJake Wardによって2018年に設立された。3Cは、過去にFTC(連邦取引委員会)に対し、ビッグテックが提供するデジタル決済やビデオ会議などのツールをスモールビジネスが支持するコメントを提出している。
ビッグテックを擁護するロビー活動をしている団体は、3Cだけではない。Tech Transparency Projectは、積極的にロビー活動を行っている例として、ワシントンD.C.本拠の「Small Business Roundtable」を挙げている。同団体は、民主党でロビー活動などを行っていたRhett ButtleとJohn Stanfordによって設立された。
Small Business Roundtableとフェイスブックは、昨年5月に「State of Small Business」というレポートを共同で発表している。このレポートは、フェイスブックを積極的に活用しているスモールビジネス6万8000社に調査を行い、彼らの事業運営においてデジタルツールは不可欠だと結論付けていた。
「ビッグテックには、繋がりが深いスモールビジネスのグループがあり、彼らが代弁者になってくれることを知っている。これらの企業はチームの一員であり、ビッグテックは彼らを何度も利用している」とTech Transparency ProjectのPaulは語った。