コロナ「デルタ株」は子供にとってより危険 警戒を強めるべき理由

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接種完了でも安心できない


米国でも感染者に占める割合が2週間で2倍になるペースで急速に置き換わりが進んでいるデルタ株は、英国で最初に確認され、米国で感染の大半を占めていた「アルファ株」よりも40〜60%、感染が広がりやすくなったとされている(アルファ株も、中国・武漢から感染が広がった従来型の株より50%以上、感染力が強いとされる)。

また、デルタ株は感染によって引き起こされる症状が、COVID-19に典型的なものとは違っている場合があるとされている。頭痛や鼻水、喉の痛みなど、一般的な風邪の症状によく似ている場合があり、感染者が無意識のうちにさらに感染を拡大させる危険性は、一層高まったとされる。

さらに、これまでの研究によれば、感染した場合の入院率は、デルタ株の方がアルファ株より2倍高いとされている。

各国がデルタ株で対応を変更


デルタ株は、インドで爆発的に感染者を増やした。そして、英国やイスラエルなど、すでにワクチン接種が進んでいた各国でも、急速に感染者を増やした。その結果、これらの国では緩和していた行動規制を、再び強化している。

規制撤廃を予定していた英国は、その期日を延期。欧州の一部の国やオーストラリアでは、再度ロックダウン(都市封鎖)が実施されている。一度はマスクの着用義務を解除したイスラエルも、再び屋内ではマスクをすることを求めている。同国はその他、接種状況に関わらず、デルタ株に暴露した可能性がある人には入国時の隔離を義務付けている。

接種率が低いバングラデシュやインドネシアなどでは、デルタ株によって新たな感染の波が引き起こされている。世界保健機関(WHO)は、ワクチン接種が完了した人も含め、引き続きマスクを着用することを推奨している。

編集=木内涼子

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