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東京ディープチャイナ

高田馬場にオープンしたカジュアル中華の火鍋店「賢合庄」。具材に中華風煮物(鹵味)が入れるのが特徴だ

東京の高田馬場にこれまでのイメージとは異なる新感覚の中華料理店が続々とオープンしている。早稲田通り沿いに連なるように点在し、ほとんどが中国語圏の人たちが経営する「チャイニーズ中華」の店だ。

そのなかのひとつ、今年2月8日にオープンしたカジュアル中華の火鍋店「賢合庄(けんごうしょう)」は、中国の人気ドラマ『愛情公寓』の主演俳優である陳赫(チェン・フー)が出資した話題の海外チェーンの第1号店だ。

『愛情公寓』は、上海のマンションで暮らす男女7人を描いたコメディタッチの青春恋愛ドラマで、2010年代に中国で大ヒットした。陳赫は、コロナ禍のために果たせなかったが、オープン時には来日して店のプロモーションにひと役買う予定だったそうだ。

JR高田馬場駅下車徒歩1分以内という立地にある同店は、以前本コラムで紹介した新宿・歌舞伎町の店「譚鴨血老火鍋(タンヤーシェーラオフオグオ)」の伝統的な四川火鍋店のスタイルとは異なる、明るくポップな色合いの内装だ。

エレベーターの入口には、陳赫の等身大人形が置かれ、店内には彼が友人の芸能人たちと撮ったプロモーションビデオが流れている。客層は圧倒的に東京に住む中国の若者たちである。

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「賢合庄」の入口に置かれた中国人俳優の陳赫の人形

高田馬場からニューウェイブ中華が広がる


では、いつ頃から高田馬場にチャイニーズ中華の店が増えてきたのか。

地元メディア「高田馬場新聞」の向井直也編集長によると「高田馬場に新しい中華料理店が増えだしたのは2018年頃からで、同年6月福建省の外食チェーンである『沙県小吃(シャーシェンシャオチー)』がオープンしたのが始まり」ではないかという。

沙県小吃は、福建省の省都福州市の西に位置する三明市、その一地方である沙県のご当地ローカルフードを提供する店で、中国全土にフランチャイズが6万3000店もある巨大外食チェーンである。

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沙県小吃の定番メニューのご当地スープ(炖罐)と和え麺(拌面)

なぜ、チャイニーズ中華のオーナーたちは高田馬場を選んだのだろうか。

賢合庄のオーナーである孫芳さんは「ひとつは高田馬場に目をつけたのは中国人留学生の存在です。それといま火鍋の激戦区になっている新宿を避けたことも理由」と話す。

留学生が多いことを出店の動機としたのは、2019年9月にオープンした「阿香米線(アーシャンミーシェン)」のオーナーである周琴さんも同じだ。同店は中国に約600店をチェーン展開している雲南省名物の米線(ライスヌードル)の日本初のフランチャイズ店だ。

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阿香米線のカフェのような明るい店内

同チェーンは、中国の飲食チェーンのマーケティング力を競うコンテスト(中国餐饮营销力峰会)の麺部門で、2020年第2位にランキングされている実力派だ。

文=中村正人 写真=中村正人、林正羽(「賢合庄」)

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