企業価値が21億ドルと評価されたメルカドは、ブラジルで初の暗号通貨業界のユニコーンでもある。7月1日に発表されたこの取引で、メルカドを運営する持株会社の2TM Groupは、ラテンアメリカで8番目に企業価値の高いユニコーンになったと同社は述べている。
メルカドの声明によると、今回の取引はソフトバンクの暗号通貨分野における最大のシリーズB投資であり、ラテンアメリカの同分野では最大の投資だという。
メルカド・ビットコインは280万人の顧客を抱えており、そのうち70万人が2021年1月から5月の間の新規登録者だという。同期間中のメルカドのトランザクションボリュームは、250億ブラジルレアル(約5430億円)に達し、2013年の事業開始以来のすべての金額を上回っていた。
「世界中の何百万人もの人々が、デジタル資産や暗号通貨が革新的な技術で、効率的な価値の貯蔵方法であることを理解しており、ブラジルも例外ではない」と、2TMグループのCEOのロベルト・ダグノーニは述べている。
今回の調達資金は、インフラの整備や、2TMグループの他の部門の増強に充てられる。同社はデジタルウォレットのMeubankやデジタル資産のカストディアンのBitrustを運営しており、現在500人規模の従業員を年末までに40%増員するという。
ブラジルのユニコーンの数はメルカドを含めて17社となっており、他にはデジタルバンクのNubankや、6月末にソフトバンクグループグループが主導する調達ラウンドで2億2000万ドル(約243億円)を調達した企業向けウェルネス企業のGympass、不動産企業のQuinto Andar、クロスボーダー決済企業のEbanxなどがあり、いずれも2021年に新たな資金調達を実施した。