自社の成長に伴い、ベゾスの資産も急増。フォーブスが毎年発表する米国で最も裕福な400人のランキング「フォーブス400番付」に保有資産16億ドルで初登場した1998年以降、1万2425%増加している。地球上で最も裕福な人物となったベゾスが持つ資産は現在、およそ2020億ドル(約22兆円)だ。
アマゾンの取締役会長となるベゾスは、今後は主に、自ら立ち上げた慈善団体「ベゾス・デイワン基金(Bezos Day One Fund)」や「ベゾス・アース基金(Bezos Earth Fund)」、宇宙開発会企業のブルーオリジンなど、アマゾン以外の事業に力を注ぐとされている(7月20日には、ブルーオリジンのロケットで弟マークとともに宇宙旅行に出発する予定)。
事業拡大で株価が高騰
ベゾスが(保有資産10億ドルを超える)「ビリオネア」の仲間入りをしたのは、1998年。オンライン書店だったアマゾンが上場した翌年のことだ。アマゾンは当時、書籍に加えてCDのオンライン販売を開始し、事業を拡大し始めたところだった。
それから約20年の間に、アマゾンは複数の業種に進出してきた。2005年には、今ではほぼ誰もが知るものとなった有料会員サービス「Amazonプライム」を年会費79ドルで開始。商品を無料で、2営業日で配送するサービスを始めた(Amazonプライムの現在の年会費は119ドル)。
翌2006年には、現在では最も収益性の高い事業部門となっているクラウドコンピューティング・サービスのアマゾン ウェブ サービス(AWS)を立ち上げた。
そして、2011年にはビデオストリーミング事業に参入。2017年にはスーパーマーケット・チェーンのホールフーズ(Whole Foods)を買収して食料品販売を始め、2018年にはホームセキュリティ製品メーカーのリング(Ring)を買収した。さらに、今年5月には映画製作事業の拡大を目指し、映画製作会社MGMの買収で合意したことを明らかにしている。