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Spanxの創設者、サラ・ブレリー(Getty Images)

米紙ニューヨークタイムズは先ごろ、シェイプウェア(補正下着)ブランドの米スパンクス(Spanx)がおよそ10億ドル(約1110億円)、またはそれ以上で身売りを検討中だと報じた。投資ファンドのカーライル・グループやTPGキャピタルが、買収に関心を示しているという。

同紙はスパンクスに近い筋からの情報として、同社の2020年の売上高は3億~4億ドルと伝えている。だが、これは2015年にアナリストらが示した売上高の推計を下回り、2012年に達成したとみられる売上高2億5000万ドルとあまり変わらない金額だ。

フォーブスの2012年の推計では、スパンクスの評価額はおよそ10億ドルだった。だが、5年ほど前から売上高の減少傾向が続く同社について、現在の評価額は5億4000万ドル程度と見積もっている(非公開会社の評価にあたっては、計算上の金額から10%を差し引いている)。

スパンクスのカリスマ的な創業者、サラ・ブレイクリーは2012年、フォーブスの世界長者番付に女性最年少の「セルフメイド」のビリオネアとして登場した。ブレクリーはこれまで、スパンクスの売却にも上場にも否定的で、同社は財務状況を公表することもなかった。

競争激化とコロナで大打撃


シェイプウェア市場に進出する企業が増え、競争が激化する中で発生した新型コロナウイルスのパンデミックは、小売業界、中でも同市場を大きな混乱に陥れた。世界中でウエディングやガラなど、フォーマルなパーティーが中止され、シェイプウェアは特に大きな打撃を受けた。

調査会社NPD グループによると 米国のシェイプウェアの売上高は、2019年7月からの1年間に、23%減少したとみられる。これを受け、ブレイクリーは2020年の世界長者番付で、大きく順位を落とした。

スパンクスは創業から2010年代にかけて急成長を遂げ、圧倒的なシェアを獲得。だが、その後は激しい競争に直面するようになっていた。最大の試練となったのは、リアリティ番組のスター、キム・カーダシアンのシェイプウェア市場への進出だ。
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編集=木内涼子

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