「韓国はSNS文化が強いのでいかにソーシャル機能を充実させるかが重要。ユーザーは『韓国アーティストの良さをみんなに分かって欲しい』とシェアをするので、日本以上にPICKが当たると思う。現在は(PICKを)URLでシェアするようになっているが、GIFでのシェアをやっていきたい。」
BTSを旗振り役に夢の場を作る
世界進出と同時に前田が仕掛けたのは、BTSの起用だ。彼らをsmash.のイメージキャラクターとして抜擢し、オリジナルコンテンツの配信も開始した。今回アメリカへの展開にも踏み切ったのは、BTSファンが韓国に次いで多くいるためだ。
「BTSがイメージキャラクターのメディアはなかった。旗振り役になって欲しい」と期待を込める。
さらに「アメリカで、アジアアーティストのファンになる人はあまりいなかったが、BTSがその架け橋を作ってくれた」とも分析する。他のK-POPアーティストやジャニーズへの流入にも繋がる可能性も秘めており、アメリカユーザー向けには回遊の設計がカギとなる。
(提供:SHOWROOM)
現在は、日本国内でオリジナルコンテンツを制作しているが、言語対応を進め、韓国やアメリカ以外の地域にも視聴者層を広げていき、将来的には各国の現地制作なども視野に入れているという。
海外戦略がハマり、多数のユーザーを獲得すれば、smash.はコンテンツ所有者にとっても魅力的な配信先となる。
例えば面白いドラマのアイデアを持っていても地上波で流すのはハードルが高い。それがsmash.であれば、配信許可を受けたクリエイターが、アカウントから自由に映像を投稿でき、テレビと比べコンテンツの尺も短く制作時間がかからない。
「クリエイターにとって仮説検証でき、作品がバズれば、映画やドラマに昇華していく場にしたい」という。
作品が自然と集まるようになり、コンテンツ獲得にかかるコストを下げるためにも、「月間アクティブユーザー数の100万人突破は大事な尺度。早急に達成したい」と述べる。
同時に前田が重要視するのは「場の偶像性」だ。以前から手掛けてきたライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM」は、素人が活躍できるオープンなプラットフォーム。それに対しsmash.は、演者の選定にも厳しくこだわり、ブランドの醸成に意識を置いている。
「BTSやジャニーズがいるような、今の自分では手の届かない場所だが、いつか行ってやるという夢を持って欲しい。smash.で作品に出演したことで、努力が実を結んだと感じてもらえる夢の場所にしたい」
これが前田の目指すsmash.の姿だ。