Forbes JAPAN Web編集部


現在31歳の彼女は、まさにミレニアル世代の顔とも言える存在。「金融教育が経済的な自立というものを作っていく、大事なものになる、というABCashのビジョンに共感してくれた」というローラは実際にABCashのトレーニングを受講し、20年の2月、ブランドアンバサダーに就任した。

児玉は「時の運とローラさんの力。そして何より社員たちの熱量と覚悟。このおかげで金融リテラシーが必要性のあるもとだ感じてもらえるようになった」と話す。苦難を乗り越え、生徒数は増加。累計1万人が3カ月のトレーニングを受講し、卒業した。

利用者からは「将来の不安がなくなってやりたい仕事にキャリアチェンジできた」「副業始めて資産形成することとで地方移住できた」などの声が届く。「利用して感じた声を、特にミレニアル世代の女性の方は広げてくれるので、次のファンを作ることができる。この世代に特化したことは正解」と児玉は分析する。

ABCash
オンラインで講義するABCashのファイナンシャルコンサルタント(撮影:林孝典)

ABCashは7月、伊藤忠商事との資本業務提携を発表。これまで溜めた1万人のデータを用いて、新商品の開発や、既存商品のアップデートに取り組んでいく。

伊藤忠商事の金融ビジネス部長、松尾英俊は、「個人の金融リテラシー底上げは、日本の社会課題の一つ。ABCashが提供する金融教育は、社会の意識の変化を捉え、課題を解決していくものだ。業務資本提携を機に同社のビジネス拡大をサポートしていく」とコメントした。

英語、プログラミングに次ぐ、第三の教育に


2000万円問題を機に、ビジネスを拡大してきたABCashは今、ミレニアル世代の女性からさらに裾野を広げ始めている。

例えば、20年の8月にスタートした法人向けのABCare。会社の福利厚生としてのサービスで、月額300円、24時間365日いつでもチャットで専門家にお金の相談ができる他、金融について学べる100本以上の動画コンテンツも用意されている。

ユーザーの検索や資金状況に合わせ、AIが自動的に動画をレコメンドしてくれる機能もあり、古巣のサイバーエージェントやクレディセゾンなど、導入企業は20社に上る。

さらに、子ども向けのサービスも展開し始めており、現在7つの学校に無償で金融教育を行なっている。

児玉は、「社会性とビジネスの両立はなかなか難しい」としながらも、「この両立から逃げずに、中長期的には、社会に求められる大きな会社を目指したい。日本全国の人が、金融リテラシーを正しく学習できるような社会を作る。英会話やプログラミング教育に次ぐ、第三の新しい教育を日本に作っていくパイオニアになりたい」と意気込みを語った。

文=露原直人 撮影=林孝典

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