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Mark Evans/Getty Images

新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」の感染が拡大するオーストラリアの公衆衛生当局によると、シドニー西部で開かれた誕生日パーティーが、クラスター(感染者集団)発生の原因、「スーパースプレッダー」になっていたという。

感染力の強いこの変異株により、集まった30人のうち24人が感染していた。6人は2回のワクチン接種を完了していた医療従事者で、当局がこの件を報告した時点では、感染は確認されていない。

シドニー西部のウエスト・ホクストン地域で誕生日パーティーが開かれたのは、6月19日だった。航空会社の国際線の乗務員を送迎するリムジンバスの運転手の男性が、デルタ株の最初の市中感染のケースとして報告されてからわずか3日後であり、このときシドニーでは、集会は制限されていなかった。

その後、21日にはパーティーで感染した24人の接触者とみられる7人の感染が確認された。多くはパーティーの参加者と同居する人たちだ。16日以降にシドニーで確認された感染者は、195人にのぼっている(7月1日時点)。

さらなる感染拡大を抑えるため、約500万人のシドニーの住民たちには現在、「外出禁止令」が出されている。また、シドニーから始まった感染拡大により、同国ではその他の州・地域でも、都市封鎖(ロックダウン)措置が取られている。

「成功」が裏目に


オーストラリアはこれまで、感染者と接触者を追跡する戦略と厳格な国境管理によって、パンデミックを抑制することに成功した世界でも数少ない国の一つとされてきた。

パンデミック発生当初から行った厳しいロックダウン措置により、感染者はおよそ3万人、死者は910人に抑えられていた。そして、住民の多くは昨年の大半の期間において、「通常」に近い生活を送ることができていた。

だが、一方でオーストラリアは米国やカナダ、英国をはじめとするその他の国々とは異なり、新型コロナウイルスのワクチンの調達に後れを取った。接種を完了した人は現在、人口の5.8%、1回の接種を終えた人は約25%にとどまっている。

シドニーの「スーパースプレッダー・イベント」は、変異したデルタ株は感染力が大幅に強まっていること、そしてワクチンには高い有効性があることを明確にする手厳しい例となった。

米国では、ワクチンの安全性と有効性が示され、さらに十分な量が確保されているにもかかわらず、多くの州が接種率を引き上げることに苦労しており、デルタ株が感染拡大の新たな波を引き起こすのではないかとの懸念につながっている。

接種を完了したのは、人口の46.7%。ただ、アラバマ、アーカンソー、ルイジアナ、ミシシッピ、ワイオミングの各州では35%未満となっており、デルタ株の影響が特に心配されている。

編集=木内涼子

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