藤田晋の運転手から始まったキャリア 20代で意識したポイントとは|マクアケ 中山亮太郎 # 2

マクアケ代表取締役社長 中山亮太郎(提供:DIMENSION NOTE)

アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」を展開するマクアケ。2019年には東証マザーズ市場へのIPOも果たした。そんな同社を牽引する代表取締役社長 中山亮太郎(なかやまりょうたろう)氏に、起業家にとって重要な素養、成長事業の創り方などについて、DIMENSIONの吉田俊也が聞いた。(全3話中2話)

第1話はこちら>>


始まりは「社長の運転手」


──第1話で挙げられた起業家の素養を中山さんご自身はどのようにして身につけていかれたのでしょうか? 創業までのキャリアで意識されていたことと合わせてお聞かせください。

元々「価値のある大きな事業が作れる人になりたい」という思いがあり、そのための栄養素になるものが何かということを意識してキャリア選択してきました。

新卒でサイバーエージェントを選んだのも、「事業を作る力」が圧倒的に身に付けられるイメージが湧いたからです。

私が就活していたのは2004年ですが、サイバーエージェントは若干30歳過ぎの藤田社長のもと、20代の若いメンバーたちが実際に「事業を作る」ことを実践していました。

──入社後、藤田社長の運転手を務められたともお聞きしました。

最初に配属を決める時、当時は新卒社員全員が藤田社長と面談する機会がありました。その場で私は「将来社長になりたいです」と言ったのですが、「なんで?」と問われ、「本能です」と答えたら「そういうもんだよね。なら社長室どう?」という流れで決まりまして(笑)。

ただ実際に藤田さんのような将来なりたい人物像の近くで学べたというのは私にとってすごく大きかったですし、その経験を通して成長事業を作る起業家に対するイメージの解像度も一気に上がりました。

今でも「藤田さんに夢の中でアドバイスされる」ことがあるほど(笑)、当時言われた金言の数々は私にとっての血肉になっています。

──他にはどのようなご経験をされましたか

社長運転手をやりながら、同時に社長室長と一緒に事業部を作って新規事業立ち上げもやらせていただきました。これも、将来「価値ある事業を作る」ためにとにかく事業立ち上げ経験を積みたい、ということで担当させてもらいました

その後、「世界中の隅々に価値を残せる会社を作りたい」という風に思考のスケールが大きくなるにつれ、自分の経験が“山手線の中”に集約されていることに危機感を感じ始めました

そんな時に、幸運なことにベトナムのベンチャーキャピタルのポストが空いているということで声がけいただき、ベトナムの投資事業立ち上げに携わりました。

日本の外に出たことによって、“山手線の中”から“地球儀レベル”でヒト・モノ・カネを捉えられるようになり、グローバルでの事業立ち上げの解像度も上がっていきました。

もちろん失敗経験もたくさんありましたが、そうやって若く吸収率が高い時期に様々な経験をさせてもらえたのは本当に幸運だったと思いますね。
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文=吉田俊也 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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