テクノロジーとアジア関連の記事を担当


これまで資産化が難しかったデジタルコンテンツの売買を可能にするNFTには、メルカリやLINEなどのIT企業だけでなく、講談社やKADOKAWAなどの大手出版社も参入を開始した。藤本が6月に開催した日本最大規模のNFTのカンファレンス「ノンファンジブル・トーキョー」には、オンライン参加を含め国内外から約2400人が登録し、暗号通貨業界に出現した新たな鉱脈の最新動向を探った。

ビットコインとの出会いから10年


彼女が今、最も力を注ぐのは、NFTを活用したチャリティ活動だ。藤本が設立したKIZUNAは、2020年のコロナ禍ではバイナンスと合同で約860万円相当の暗号通貨による寄付を集め、国内の医療機関に物資を寄贈したが、今後はNFTを活用したチャリティで、その規模を拡大していく。

「NFTだからこそ実現できるチャリティを広めていきたい。単純にお金を送るのではなく、アートに共感して寄付をした人がNFTで価値を手にできて、その収益を寄付に回せるプラットフォームを拡大していきたい」


6月10〜11日に開催のNFTのカンファレンス「ノンファンジブル・トーキョー」の模様。ゲーム業界の幹部らもNFTの未来について語り合った

そんな彼女の思いに共鳴したのが、クリエイティブ集団「ライゾマティクス」を率いるアーティストの真鍋大度だ。ビョークやPerfume、坂本龍一らの映像演出で知られる真鍋も、KIZUNAの寄付プラットフォームにNFTアートを出品した。

ビットコインとの出会いから10年、無我夢中で走り続け、気がつくと独身のまま36歳になっていた。「いつか子供が欲しくなるかもしれないけど、それまでの間、テクノロジーで解決できる問題は、それに任せようと思う」と話す彼女は昨年、卵子を凍結保存した。

コロナ禍で海外との行き来が途絶えた今、3カ月60万円の高額オンライン英会話講座で、英語のスピーチ力に磨きをかけている。ビットコインの価格は4月中旬に700万円を突破したが、6月下旬にはその半分にまで下落した。市場の荒波に揉まれながら、藤本はその先の光に向かって進み続けている。

取材・文=上田裕資

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