テクノロジー

2021.07.01 06:00

ヴァージン・ギャラクティック、宇宙への客輸送免許を取得 先陣争い加熱

リチャード・ブランソン(Getty Images)

リチャード・ブランソン(Getty Images)

富豪のリチャード・ブランソン率いる宇宙旅行ベンチャー、米ヴァージン・ギャラクティックは6月25日、一般の客を宇宙空間に運ぶのに必要な免許を米連邦航空局(FAA)から取得したと発表した。商業宇宙旅行をめぐっては、同社とジェフ・ベゾスの米ブルー・オリジン、イーロン・マスクの米スペースXの3社による先陣争いがヒートアップしている。

ヴァージン・ギャラクティックを2004年に設立したブランソンは、この免許取得により、商業宇宙旅行の実現という約束をようやく果たせる運びになった。発表後、同社の株価は20%超急伸した。

ヴァージン・ギャラクティックは今夏、満席状態にした初のフライトを計画する。具体的な日時は明らかにしていないが、ベゾスらがブルー・オリジンの宇宙船で大気圏と宇宙空間の境界まで旅する予定となっている、7月20日よりも先になる見通しだ。

ブランソンはかねて商業宇宙旅行の実現は近いとの認識を示してきたが、ヴァージン・ギャラクティックによる開拓は容易には進まず、たびたび挫折を経験してきた。しかし、今年5月には新たなテスト飛行に成功し、実現に向けてさらに前進していた。

ヴァージン・ギャラクティックの宇宙船はニューメキシコ州にある宇宙港から打ち上げられる予定で、料金は1席25万ドル(約2800万円)。すでに600人が予約しているという。

米国の宇宙企業ではこのほか、スペースXも今年末、搭乗者がすべて民間人のフライトを実施する計画だ。同社はこれまでに数回、米航空宇宙局(NASA)の訓練を受けた乗組員を国際宇宙ステーション(ISS)に送り届けた実績がある。

編集=江戸伸禎

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