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2021.06.30 16:30

売れる確信まで2年 アレルギー事業CAN EATは、壁をどう乗り越えたのか|#RISINGSTAR


アレルギー事業から食のパーソナライゼーションへ


──今後はどうやって事業をスケールさせていきますか。

現在、社員は私一人。業務委託という形でメンバーもいますが、営業力には限界があります。そこで、事業を広げるために自治体の力をお借りしていきます。渋谷区や南海電鉄などに協力を得ていて、地域や沿線の飲食店へのサービス導入を促しているんです。

田ヶ原絵里
田ヶ原絵里(写真=藤井さおり)

アレルギーに対応できる飲食店が増えると、そこは子どもが住みやすい街になります。 店の原材料が何かを出しておくだけで、お客さんが行けるかどうかを自分で判断できるようになる。まずはそこを目指しましょう、と言った具合で自治体に協力を呼びかけています。

──最後に、中長期的な目標についてお教えください。

現在展開しているアレルギー事業は、あくまでも最初の一歩だと考えています。ヒアリングや表作成代行で得たデータを使うことで、いずれはユーザーの好みや、摂取したいカロリー、アレルギーの度合いに合わせた最適な店を、マップなどで提示できるようにしたい。

こうしたサジェスチョンの仕組みが実現されれば、例えば、ベジタリアンやビーガンといった食事嗜好を持つ人にとっても、メニュー選びに困ったり、口頭で伝える手間がかからなくなります。

また、安定期に入るまで妊娠していることを周りに言いたくないという女性も多いですが、そうした人がキャンイートを介すことで、必要な食事制限をこっそりお店に伝えることができます。

アレルギーや食の好み、体調などに最適化された食べ物が、自動で出力される。私が実現したいのは、そんな食のパーソナライゼーションによって、健康で外食を楽しめる世界を作ることです。


Forbes JAPAN Rising Star Community 2021では、7月1日にコミュニティメンバーによるピッチイベントを開催。「大きく成長する起業家の条件」をテーマに、特別ゲストを招いたセッションも展開する。ビジネスのアイデアやヒントを収集する場として、ぜひ参加いただきたい。

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田ヶ原絵里◎株式会社CAN EAT代表取締役CEO。アレルギー対応食アドバイザー・中級食品表示診断士。母の米アレルギーをきっかけに、アレルギーがある人の外食を快適にするITサービス「CAN EAT」を起業。外食企業で誰でもアレルギー対応を正確に実施するためのITサービス開発運営ほか、アレルギー対応の評価認証委員、ホテルや婚礼業界のアレルギー研修を担当。

文=露原直人 写真=藤井さおり

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