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2021.06.30 11:30

ソフトバンク支援の中国の生鮮EC「ディンドン」が米国でIPO

Getty Images

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中国のオンライン食料品配送プラットフォーム「ディンドン・マイカイ(叮咚買菜)」は6月8日、米国でIPO申請を行ったが、その規模を大幅に縮小した。しかし、上海を拠点とする同社の創業者のLiang Changlinは、この業界にはまだ大きな成長ポテンシャルがあると述べている。

「私は会社の成長に自信を持っている。競合は価格の安さでユーザーを惹きつけているが、当社は質の高いプロダクトを提供することで差別化していく」と、彼はフォーブスの電話インタビューで述べた。

ディンドンは6月29日のニューヨーク証券取引所への上場直前に、IPOによる目標調達額を74%も引き下げた。同社は当初、3億5700万ドル(約395億円)の調達を目指していたが、410万株の米国預託株式を1株23.5ドルで販売し、9570万ドルを調達したと発表した。

ディンドンは5月に、ソフトバンクのビジョンファンドの主導で3億3000万ドルを調達していた。

同社の競合の「ミスフレッシュ(毎日優鮮)」も6月25日、米国で上場したが、初日の株価はIPO価格から25.7%も急落した。テンセントが支援するミスフレッシュは、上場により2億7300万ドルを調達していた。

目論見書によると、ディンドンの売上は昨年、パンデミックによる外出禁止の影響で17億ドルに達し、2019年の6億ドルから約3倍に急増したという。しかし、コストの増大で純損失は前年の2億9000万ドルから4億8500万ドルに拡大していた。

連続起業家であるLiangは、中国軍を退役した後、2002年に「Easy Video Joiner & Splitter」という動画編集ツールを開発し、子育てやマタニティのためのディスカッションプラットフォームのiYaya.comとMaMaBangを立ち上げ、2016年に教育企業のTAL Educationに売却していた。

彼が2017年に設立したディンドンは目論見書によると、29の都市に950のフルフィルメントセンターを設置し、30分以内の配送をアピールしている。

激化する競争


しかし、中国のフードデリバリー市場の競争は急速に激化している。調査会社iResearchによると、この分野では香港に上場する大手の美団や、アリババ傘下の十団(shihuituan)などがしのぎを削っている。

調査プラットフォームSmartkarmaのアナリストは、この市場での競争を、数年前に中国で起きた「自転車シェアリング狂騒曲」になぞらえている。当時はOfoやMobikeなどの大手が巨額の資金を調達したが、新規顧客の獲得のために、激しい価格競争に追い込まれた。

ディンドン創業者のLiangは、価格競争には巻き込まれないと宣言したが、目論見書では「競合他社が値下げをした場合は、当社も値下げを余儀なくされる可能性がある」と述べている。

「アマゾンやJD.comのような企業を見れば、当初の業績がどうであれ、長期的には株価が大きく上昇したことが分かる。当社には巨大な成長の余地が残されている」と、Liangは語った。

編集=上田裕資 文=Yue Wang、Zinnia Lee

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