24日の発表によると、これらの仮想通貨は犯罪絡みの資産の移動に関する情報に基づき、経済犯罪対策部門が実施した捜査で押収された。仮想通貨の種類は公表していない。
ロンドン警視庁のグレアム・マクノルティー副警視監は声明のなかで、犯罪者にとっては依然として「現金が王様」であるものの、テクノロジーの進歩によって、一部の犯罪者は暗号通貨の使用といった「より洗練された」マネーロンダリング手法を用いるようになっている、と指摘した。
仮想通貨は世界で需要が高まっている半面、こうした金融犯罪に悪用されるリスクは規制当局が監視を強める大きな理由になっており、一般の人々への普及でも大きな障害になっている。
今回押収した仮想通貨の価値は、ロンドン警視庁が2020〜21年度に押収した現金の総額の2倍超にあたるという。
米当局は2013年、ダークウェブ(闇サイト)のマーケットプレイス「シルクロード」に関連した10億ドル(約1100億円)相当のビットコインを押収している。これまでに押収された暗号資産の額としてはこれが世界最大とみられる。
仮想通貨は、大部分の取引は合法的に行われているが、匿名で国境を簡単に越える性質から、犯罪者にとっても魅力的なものになっている。マネーロンダリングは、脱税やテロ組織の利用、薬物取引と並んで、その懸念事項に挙げられることが多い。
英国では5月、大麻(マリフアナ)の栽培が疑われたバーミンガム近郊の倉庫に警察が立ち入ったところ、ビットコインの採掘ファームが見つかっている。